お代はラヴでけっこう

【ダークソウル】薪の王の「資格者」とはなんなのか

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本記事には「ダークソウルシリーズ」に関する重大なネタバレがあります

 ダークソウル3には5人の薪の王が登場する。
 薪の王たちはゲーム内での最重要キャラクターなのであるが、その資格について矛盾する情報があるため、よく混乱するプレイヤーがいる。
 今回はそのことについて書く。

「薪の王」にはどうすればなれるのか

 まず薪の王とはホークウッドのセリフだと、単にソウルが強大であればなれるとされている。

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薪の王にめっちゃ詳しいホークウッドさん

 しかし、王子ロスリックの王の薪の説明を見ると、薪の王になるには資格が必要で、そのためにロスリック王家はおぞましい所業を繰り返していたことが分かる。

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ソウルだけが王の資格ではない

 単にソウルが強大でさえあればいいのならば、わざわざ血の営みなどをする必要もないし、病を抱え萎びた赤子であったロスリック王子が薪の王となれる理由もないはずである。

 さて、これらが一見して矛盾しているように思える理由はなんなのかと言うと、要はロスリック王子が薪の王たる理由と他4人が薪の王たる理由は異なるからというのが結論である。

 ロスリック王子の「資格」とはなんなのか

 先に結論から言ってしまうが、ロスリック王子の「資格」とは、ダークソウル1に登場した「王の器」のことである。

 つまり、彼は4人の薪の王のソウルを受け止めるための容器なのである。
 ロスリック王子本人はあくまで「器」なので本人のソウルが小さくても問題はない。

 オープニングを改めて見ると、薪の王として目覚め、そして玉座を捨てた王として語られるのはエルドリッチ、深淵の監視者、巨人ヨームだけである。これにルドレスを加えると、本来の「薪としての王」は4人であったことが分かる。

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  エンマの今際の言葉が王子ロスリックに王となることを望むものであったことから分かる通り、本来の筋書きは他4人の王の薪を火のない灰に集めさせ、それを王子ロスリックが受け取り火継ぎを行うというものであったはずである。

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本来はロスリックを王に据える筋書きだった

 結果として王子ロスリックは王となることを拒否し、火のない灰に薪とされてしまうこととなるが、このことはストーリー上でもきちんと書かれている。
 火のない灰はルドレスから今回の火継ぎは「最古の火継ぎの再現」を目指していることが告げられる。

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薪の王たちは最古の火継ぎを再現するために目覚めた

 この最古の火継ぎとは、無印においてプレイヤーが行った「王の器に偉大な4つのソウルを捧げる」ことである。
 そう見ると今回の火継ぎは薪の王が5人と言うのは多すぎるし、王の器が手に入らないのはおかしいことが分かる。

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最初の火の炉に至るには「王の器」と「4つのソウル」が必要だった

 ロスリックの高壁の祭壇には螺旋剣とともに王の器も祀られておりロスリック王家にとって王の器が大事な存在であることは描写されている。 

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高壁には王の器が祀られている

二つの意味での「最古の火継ぎ」

 先程、4つのソウルを集めて王の器に捧げることが最古の火継ぎであると述べたが、実は最古の火継ぎには2種類ある。

 3のテーマは1を踏襲しているものが多いため、プレイヤー視点からは1と同じく王のソウルを集めて、これを以て最古の火継ぎの再現と考えている人が多い。
 しかし、これは本当の意味での最古の火継ぎではない。これはあくまで人によるものであり、本当の意味での最古の火継ぎとは神そのものの生贄である

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本当の最古の火継ぎとは大王グウィン自身が薪となったことを指す

 そして、これこそがロスリックの目指したものなのである。
 グウィンのソウルは4大ソウル全てと等しいレベルの大きさであり、それを受け止めるだけの器を作るためには並大抵のものではない。
 ロスリックの血の営みとは近親相姦であり、ロスリック王妃は神族に連なる者である可能性が非常に高い。

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グウィンの娘であるグウィネヴィアが、含みのある説明も合わせて最有力候補か

 グウィンの血族と近親相姦を繰り返すことによりグウィンの血の純化を目指した可能性は非常に高いだろう。
 また、近親相姦が禁忌とされる理由として、血の純化による虚弱体質の発現などがあげられるが、これは王子ロスリックの体質と一致している。

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近親相姦の末路

 神の再現。即ちグウィンの再現が目的であるからこそ、ロスリックは先王が狂うほどの血の営みを行なってきたのだ。

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人が神になるという暴挙を達成するためには「王が狂う」ほどの営みが必要だった

 しかし、ロスリック王子からすれば期待どおりにグゥインの再来として顕現したところで、結局は薪にされるのだからたまったものではない。
 もちろん、エンマたちからすれば世界のための人身御供になれるのだから、これ以上ない最大の名誉なのだろうが。

王の器を求めたロスリック王家

 王の器が聖杯をモチーフにしていると言うのは無印のころから言われていた。
 ダークソウルはアーサー王伝説をいくつか元ネタにしており、有名なのは深淵のアルトリウス=アーサーなどか。
 聖杯はキリスト教における聖遺物の一つであり、十字架から滴ったイエスの血を受けたというエピソードがあり、また聖杯伝説の物語では聖杯を捧げることで神の都に到達することができた。

 ダークソウルではこの両方のエピソードが採用されている。

 1においては、王の器(聖杯)に血(ソウル)を捧げることにより最初の火の炉(神への道)への扉が開いたが、これは聖杯伝説を元にしている。

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王の器(聖杯)を捧げることで最初の火の炉(神への道)への扉が開く

 3においてはキリストのエピソードが採用されている。
 それはエンマの持つ誓いの水盆である。

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 ロスリック騎士による儀式用具である誓いの水盆は、台座に捧げ血を注ぐことで城への道が開けるようになっているが、これはまさに聖杯の儀式そのままである。

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水盆に血を捧げたまえよ

 「儀式は形骸化している」とあるが、火継ぎの国であるロスリックが王の器である聖杯を神格化していることがよく分かるイベントになっている。

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