お代はラヴでけっこう

【ダークソウル】薄暮の国のシーリスの物語

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この記事には「ダークソウル」シリーズに関する重大なネタバレがあります

 薄暮の国の出身である(元)暗月の女騎士であるシーリスちゃん
 シーリスちゃんはある目的のために薄暮の国から出奔して、ロスリックにやってきました。

 シーリスちゃんは道半ばの砦(生贄の道)に到達してから祭祀場に戻ると登場している。
 しかし、この時はツン100%の完全な塩対応で袖にされてしまいます。

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突如祭祀場に現れるも、完全な塩対応であっさりと袖にしてくる。

シーリスちゃんチョロイン疑惑

 しかし、この後にストーリーを進めていくと再度シーリスちゃんは祭祀場に現れるのですが、この時は最初と打って変わっていきなり親切になり協力を申し出てくれるので、態度の変わりようが理解できないプレイヤーからは、「シーリスはちょろい」と言われたりしました。 

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いきなり距離詰めてくるシーリスちゃん
これ以降、シーリスちゃんの白サインから協力を求めることができます

 この間に特にイベントがあるわけではないので、プレイヤーからは「話してるだけで勝手にデレる」などと言われているが、実際はそうではないのです。

 このゲームの考察をする人は数多いが、大体はネタ元として「グラフィック」や「テキスト」に注目されます。
 しかしそれと同じぐらいに大事なのが「フラグ」です。

 では、シーリスちゃん2回目のフラグが何なのかというと、「夢追い人の遺灰を祭祀場の侍女に渡す」というものです。

 「何度も、貴方の話をお聞きしました」と「献身は残り火への道」というセリフから、祭祀場の侍女とシーリスはよく会話しているということがこの時点で分かります。

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このことわざを使うのはシーリスと侍女のみ

 ここから、シーリスちゃんがなぜ突然態度を軟化してきたのかが分かります。
 それはずばり、打算です。

 「献身は残り火の道」というソウル世界のことわざの意味は、その後に侍女が「サインろう石」の話をすることから、「白サインを出して協力プレイを成功すれば(献身すれば)残り火が貰えるよ」という意味なのが分かります。

 ダクソプレイヤーなら当然知っているこの情報を当初、シーリスちゃんは知らなかったのです。

 言うまでもないですが、残り火はゲーム攻略のために重要かつ貴重なアイテムなので、この残り火を積極的に手に入れるためにプレイヤーへ協力を申し出てきたのです。

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シーリスちゃんは当初白サインのことを知らなかった

 この後何度話しかけてもサインを使うように使うようにとを要求してくるので、実はこれはデレではなくただの打算の女であったことがよく分かりますね。

 ストーリー的には深みの聖堂とファランの城塞で召喚できるようになりますが、召喚の有無はシナリオに影響しません。

放浪のクレイトン戦と銀猫の指輪

 冷たい谷のイルシールに到着すると、今度は逆にシーリスちゃんの協力要請サインが出ています。

 ここで協力するとお礼の言葉とともに、祭祀場で「祝福された鎧貫き」と「銀猫の指輪」を入手できます。

 さて、なぜここで疑問になるのが何故シーリスが「銀猫の指輪」を持っているのかということですね。

 祝福された鎧貫きに関しては本人がエストックを持っているので違和感がないのですが、銀猫に関しては本当に謎でした。

 これに関しては暗月の騎士団総長ヨルシカが関連していると思われます。

  こちらで解説したとおり、薄暮の国の信仰対象はヨルシカでした。

 そして、ヨルシカの囚われている虜囚の塔の構造は、ダークソウル2のマデューラの大穴に似ており、必ず大きな落下ダメージを受けてしまう場所です(マデューラの大穴も銀猫の指輪がほぼ必須です)。

 シーリスは既に暗月の騎士を引退しているので、彼女にはもう銀猫の指輪は必要がなくなっています。
 プレイヤーが暗月の騎士となるのならばと渡すことにしたのでしょう。

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シーリスは騎士を引退している

シーリスと侍女の関係

 呪腹の大樹とエルドリッチの双方を撃破すると、シーリスちゃんは祭祀場の侍女に「おばあちゃんへ」から始まるメッセージを残して不死街に旅立ちます。
 このことと夢追い人の遺灰の件も合わせて、「シーリスと祭祀場の侍女は血縁」と思う人が多いのですが、実際には「近所の仲が良いおばあちゃん」程度の間柄であり、血縁ではないと思われます。

 まず、シーリスが「おばあちゃん」に宛てた手紙をよく精査すると、始まりが「お婆ちゃん〜」と砕けた口調で始まっているのに、フォドリックに言及するときだけ「祖父」という他人行儀になることが分かり、身内に向けた手紙であるには不自然であるということ。

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身内に向けたにしては不自然なメッセージ

 実際、シーリスはフォドリックに呼びかける時は「お爺ちゃん」と呼称しているので、普段から「祖父」と呼んでいるのではないことが分かり、この手紙は身内外に向けたものであると考えるのが妥当でしょう。

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普段は「お爺ちゃん」と呼んでいる

 そして、前述のシーリスの態度軟化イベントの時には「献身は残り火の道と聞きました」と答えています。
 つまりシーリスはこのことわざは最近になって聞いた、つまり以前には二人には交流がなかったことを示しています。

 また祭祀場の侍女は飄々とした性格を装っていますが、自らの息子であると予想される夢追い人の遺灰を渡したときには明らかに動揺した態度を示すとおり、心中では情を保っているはずなのですが、シーリスとの敵対殺害には全く反応がありません

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夢追い人の遺灰を渡すと、侍女はうつむき手をすり合わせ明らかに動揺する
他方、シーリスを殺害しても何の反応もない

 ダークソウル3のNPCはキャラ間関係がしっかりしており、敵対したNPCと友好関係にあるNPCも敵対反応を示します

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「アンリとホレイス」を筆頭にNPCには友好関係が設定されている

 そう考えると、シーリスが身内であるなら彼女の殺害に侍女が無反応なのは明らかに不自然なのが分かります。

 とはいえ、侍女側も完全に冷淡なわけではなく、メッセージ付いた花付き緑花草は10ソウルという破格(本来は1000ソウル)で購入できようにしていることから、「仲が良かったから助けに行くなら少しぐらいお礼はするよ」という意味合いと思われる。

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メッセージ付きの草は破格で売買してくれる

シーリスの結末

 シーリスの「約束」とは狂ってしまった祖父フォドリックを討伐することでした。

 火のない灰の協力のもとに、シーリスは祖父の遺品である黄昏の盾を祭祀場の外にある墓地に供えます。

 そして、最後に火のない灰に対して「騎士の誓い」を許してもらえるようにお願いしてきます。

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この選択でシーリスの末路が決定される

 ここで許した場合はロスリック城と大書庫でプレイヤーを支援すべく召喚サインを出し、その後黄昏の盾を供えたフォドリックの墓の前で黄昏のタリスマンを握りしめて事切れています。

 逆に騎士の誓いを許さなかった場合は、シーリスは亡者の穴倉内の犠牲の祭壇で祈っているが、既に亡者化しておりプレイヤーに対して襲いかかってくる。

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亡者と化したシーリスちゃん・・・哀れ・・・

 この場合でも撃破すると黄昏のタリスマンはドロップする。

 どちらの場合でも入手アイテムは変わらないが、騎士の誓いを許せば協力サインを使用可能になるという違いがある。

 なお、どちらの展開でもシーリスの死亡は避けられないが、この経緯については、DLC第2弾においてヒントが出ている。

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 素直に解釈すると、フォドリックを殺めた自責の念にかられてしまい、国も信仰も慰めにならなかった……ということだろう。

シーリスとロザリアの指の関係

 シーリスちゃんは「ロザリアの指」を敵視しており、ロザリアに仕えてしまうと以後シーリスイベントを進めることができなくなってしまう。

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座った姿勢ではなく、剣を構え臨戦態勢で出迎える

 たまに、このことでロザリアの指と暗月の剣が敵対関係にあるからだと考える人がいるが、最初に述べた通りそもそもシーリスは既に騎士を引退しており暗月の剣ではない

 火のない灰がロザリアに舌を捧げると、別れの挨拶を告げに来るが敵対するわけではなく以後行方不明になるのみであるし、同じ祭祀場にいる指の一員であるレオナールはスルーしている。

 では、なぜこのような態度を取るかというと理由は恐らく指の一員である「放浪のクレイトン」にあると思われる。

 シーリスとクレイトンのイベントは、あくまでも「シーリスの世界にクレイトンが侵入してくる」というものであり、シーリス自身がロザリアの指を討伐するという意図はない

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主体はシーリスの世界にある

 では、なぜクレイトンがシーリスにこだわるのか。
 それは恐らく「かつて暗月の剣であったシーリスはロザリアの指であったクレイトンと戦った過去があった」と思われる。

 放浪のクレイトンは、元々ダークソウル2が初出のキャラクターであり、そちらでは自分を陥れたペイトという男に対して、ずっと後を追い続けて復讐を為そうという男であった。 

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クレイトンには「執念深い性格」という設定がある(DS2より)

  DS3においても、シーリスに協力してクレイトンを撃破すると、今度はプレイヤーの世界に侵入して復讐しようとしてくる。

 クレイトンと敵対すれば、立場に関係なくもはや復讐の対象でしかないのだ。

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