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【ダークソウル考察】名もなき鍛冶の神とヘパイストス

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ダークソウルには様々な神々が存在するが、特に1作目は既存の神話をモチーフにしているようなキャラクターがいくつか存在します。

有名なのはアーサー王=アルトリウスですが、ファム=ファタール(運命の女)そのままである女神フィナや名前を持ってきていると予想される女神グウィネヴィアなどがいますね。

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フィナについての考察記事↑

さて、もう1柱既存の神をモチーフにしていると思われるのが、今回の表題とさせてもらった名も無き鍛冶の神です。

名も無き鍛冶の神とは、デーモンの禊禊石の原盤に言及されている神であり、神々の武器を鍛えた存在であるとされています。
毎回名前を書くと長いので、以下の記事には“名無しさん”と表記させてもらいたいのでご了承願いたい。

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名無しさんは今はもう死んでしまいましたが、その遺物は「禊石の原盤」として遺されました。

そして、各地に存在する楔のデーモンはこの名無しさんの遺物から生まれた存在です。

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この禊のデーモンの存在から考えると名無しさんのモチーフはギリシャの神話の神である「ヘパイストス」と思われます。

ヘパイストスとは?

ヘパイストスとはギリシャ神話に登場する「神々の武器を鍛えた鍛冶の神」のことです。

名無しさんもまた神々の武器を鍛え手であるという共通点がありますが、それ以上に原盤から生まれた禊のデーモンがモチーフであるということを物語っているんですよね。

さて、ヘパイストスさんはギリシャ神話においては、絶対神ゼウスと正妃ヘラの第1子という非常に由緒正しい生まれです。

普通なら跡継ぎ候補じゃないですか!ところがどっこい、ヘパイストスさんがあまりに不細工すぎたので、なんとヘラが天空から捨てちゃったんですよね。

ヘラさんいくらなんでも酷すぎませんか・・・。

まあそれは本題ではないのでさておいて、ここで重要なのがヘパイストスは伝承によって詳細は異なれど、基本的には片足が不自由な神であるこということですね。

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ルーブル美術館所蔵の一番有名なヘパイストス像。
左足が萎びえている。

さて、ここで我ら不細工の星の化身である禊のデーモンさんを改めて観察すると、左足が不自由していることが分かりますね。

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(*へパイストの不倶については片足だったり両足だったり、状態や理由についても諸説ある)

また、「顔のない石の魔物」と表現されているとおり、禊のデーモンは顔がツルツルになっていますが、この顔のデザインは鍛冶職人が使う金床です。

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デザインワークスより
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また、頭部から生えている謎の奇妙な形をした角は、鍛冶職人の道具であるトングです。

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左がトング
熱せられた金属を掴むための道具

このトングの形状は、また禊のデーモンの武器である「くさびの刺又」とも酷似しています。

DSアイテム1枠のコピー

刺又とは、警官が制圧対象を無力化するための装備の一つですが、それにしては形が歪なのが気になります。

刺又の先端はもっと広くなければ、胴体が入らないからです。

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また、デーモンが武器の先端付近を持っているのも奇妙な点です。
普通は刺又は一番後ろを持つからです。

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上記の通り、この形状はトングの方により近く、それが長い年月の中で伝承が変化したのではないでしょうか。

ヘパイストスには「神々を束縛した」というエピソードがあり、逸話としてはヘラや、妻アフロディーテと間男アレスの浮気現場を押さたというものがありますが、そこからモチーフを得たのかもしれませんね。

さて、ダークソウルにおいての「雷」には特別な意味があり、それは神々の力であり太陽の力であるということです。

その特別な雷の力を禊のデーモンさんが扱えるのは、やはり彼?が神々の現身であるのと同時にヘパイストスが古くは雷の神でもあったからかもしれません。

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またアノール・ロンドには彼の弟子だと思われる巨人の鍛冶屋がいます。

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同じく「神の鍛冶」と異名を持つ巨人
いつでもばんぜん

伝承におけるヘパイストスもまた部下に巨人の鍛冶屋を率いていたと言われています。

名無しさんにとっての巨人鍛冶は、ヘパイストスにとってのサイクロプスだったのかもしれません

なぜ彼には名前がないのか

名無しさんの最大の謎は、なぜ彼が名無しさんなのかということですね。

はじまりの火が起こって以来、世界には”差異”が広がりましたが、その中でも特に名前は”差異”の象徴として重要なものです。

その中で名前がない神は名無しさんと太陽の長子ぐらいではないでしょうか。

太陽の長子はDS3において無名の王として登場しましたが、そもそも彼が名前すら残らない形で追放されたのは、竜と同盟を組んだことが神々への反逆として見なされたからです。

つまり、彼自身の伝承がほとんど消え失せており名前さえ残っていないのは彼もまたグウィンに反逆したのではないかということですね。

前述したとおり、彼には弟子と思われる巨人の鍛冶屋がいますが、この巨人の顔は奴隷の仮面を被らされています。

神の鍛冶を行うという名誉ある職業であるはずなのに、何故このような扱いを受けているのでしょうか・・・。

師匠が神への反逆を行いデーモンへと堕とされたと同時に弟子もまた連座制として罰を受けたというのは少し想像が過ぎますか。

また、巨人鍛冶の反対側にも部屋があるはずなのですが、こちらの部屋の扉は固く閉ざされており、中に入ることはできません。

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巨人鍛冶屋の反対側に位置する部屋の扉
この中に侵入する手段はない

位置的に考えると、もしかするとここが名無しさんの仕事場であったのかもしれません。

完全に余談ですが、DS3においてアンドレイと敵対すると「俺は奴隷じゃない」と返してくるのは、鍛冶屋が奴隷として扱われていたことへの反発なのかもしれませんね。

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名無しさんの顔

さて、謎に包まれている名無しさんですが、その顔は灰の湖に鎮座している謎の頭蓋骨ではないかという説があります。

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前述の通り、禊のデーモンには顔がありません。
そして、この頭蓋骨は頭だけで身体がありません。

そして、この頭蓋骨にはが生えています。

鍛冶屋で角と言えば、我らがバモスの兄貴ですね。

立派な角をあしらわれた王族の兜を持ちながら一流の鍛冶技術を扱えていたのですから、その王国は鍛冶の神を信仰していた可能性は十分にあります。

また、ダークソウル2に登場するゲルム族もまた鍛冶屋です。

ゲルム族は大斧を持った戦士タイプと角の生えた兜を被ったタイプの2種類が存在しますが、角を生えたタイプは金床をそのまま武器にしています。

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アンドレイのように鍛冶屋と言っても必ず角があるというわけでは勿論ありませんが、どこかに鍛冶屋の角信仰として残っていたかもしれませんね。

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