*この考察は、2022年1月時点の情報を元にネタバレや個人の見解を含んでいます。今後の実装次第で公式と大きく異なる考察となる可能性がありますのでご了承ください。
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どうも篝火文書店店長のはるとです。
Ver2.4で登場した淵下宮では、旅人を補助する目的で学者である淵上が旅のナビゲートをしてくれます。
淵上は淵下宮の歴史についても色々と教えてくれるのですが、その中でmiHoYo作品を熟知しているプレイヤーにとって衝撃的な単語が飛び出してきました。
それは、淵下宮を照らす人工太陽「大日御輿」の名はハイペリオンだということです。

miHoYo作品は原神しかプレイしたことがないという方にとっては初出の単語になりますが、実はこの「ハイペリオン」という単語は、miHoYo作品にとって非常に重要な意味を持ちます。
どういうことかというと、ハイペリオンとは原神と並行世界であることが明言されている、「崩壊シリーズ」に登場する主人公の乗る旗艦の名前だからです。

元々、原神と崩壊は平行世界の関係にあるというのは、公式スタッフインタビューで判明していましたが、ここにきて明確な名前の繋がりが出てきたので色々と騒がしくなったわけですね。
崩壊シリーズの「ハイペリオン」
崩壊学園及び崩壊3rdともにハイペリオンは、主人公たちの乗る大型空中戦艦です。

また、ハイペリオンには「ヘリオス号」という輸送艦が格納されており、任務やイベントによってはハイペリオンを旗艦として、ヘリオス号で出発することもあります。
つまり、ハイペリオンの中にヘリオスが入っているという関係になっています。
原神シリーズのハイペリオン
先ほど、「大日御輿」の名はハイペリオンと紹介しましたが、これは歴史の流れにより伝承が間違って伝わった結果であり、実際の名称は異なります。
大日御輿の真の名は「ヘリオス」であり、ヘリオスとはハイペリオン(白夜の光)を格納する乗り物の名称です。

この阿部良久は過去の人物でかつ、実際の建造者なのでヘリオスとハイペリオンの関係は淵上よりも彼の方が信憑性は高いと思われます。
つまり、原神ではヘリオスの中にハイペリオンが入っているという、崩壊とは「反転」した関係になっています。
恐らくですが、長い年月を経た中でヘリオスとハイペリオンが同一視されてしまったのではないでしょうか?これは実際の神話上のハイペリオンとも合致しています(後述)。
また、そもそもハイペリオン自体の設定が二作品では全く違っています。
最初に述べましたが、崩壊のハイペリオンは空中戦艦です。
それに対して、原神のハイペリオンは人工太陽のことです。
どちらにもまだ何か秘められた力があることも示唆されていますが、現状では設定そのものに大きな違いがあります。
神話上のハイペリオン(ヒュペリオン)
さて、ではここでハイペリオンの語源について説明します。
ハイペリオン(Hyperīōn)とは、そもそもギリシア神話に登場する太陽神の名前で、日本語では「ヒュペリオン」と呼ばれる方が一般的です。
そして、息子には「太陽」を意味するヘリオスという神がおり、この二柱の神は役割が似通っているためか、ホメロスの『オデュッセイア』では、ハイペリオンは太陽神ヘリオスの呼称としても使われており、同一視されていたことが伺えます。
つまり、本来の太陽という意味であれば、原神の方がより本来の神話に近い扱われ方をしています(ハイペリオンには「高みを行く者」という意味もあるので、崩壊の方も全く別物という訳ではない)。
この、「ギリシャ神話の伝承と同等の扱われ方をする」というのは淵下宮全体の傾向です。



つまり、原神世界のハイペリオンは、他の淵下宮に登場するギリシャ神話と同列の扱いをされています。
原語の問題
ご存じの通り、miHoYoは中国の会社です。
原語の基本ベースは中国語であり、これまで何度も翻訳ミスが問題になったことがあります。
さて、このハイペリオンに関しては、この単語自体には翻訳ミスと呼べるものではないのですが、大きな問題としてこの「ハイペリオン」を「原神=崩壊」と結びつけられるのは、日本語や英語などの翻訳版限定であり、中心となる中国語ではこれが不可能です。
原神の本国語版ではハイペリオンは「许伯利翁」と表記されています。

これは、本来の神話での呼ばれ方と一致しています。

対して、崩壊シリーズのハイペリオンは「休伯利安」と表記されています。

こちらの呼ばれ方も間違っているわけではないのですが、中国では概ね銀河英雄伝説の戦艦名やスタークラフトシリーズの戦艦名に使われるなど、二次元界隈では戦艦のイメージが強いようです。
参考https://zh.moegirl.org.cn/%E4%BC%91%E4%BC%AF%E5%88%A9%E5%AE%89
このように、原神と崩壊シリーズの「ハイペリオン」はイメージどころか(本国版においては)語源も異なっています。
公式の意味深なやり取り
ちょうど1年ほど前には英語版「崩壊3rd」公式と英語版「原神」のアカウントが意味深なやり取りをしています。
Hyperion has not landed in Teyvat yet!
(ハイペリオンはまだテイワットに到着していません)
これに関して考えられるのは、次のようなものでしょうか。
①「まだ」なので、今後到着する可能性がある(淵下宮のハイペリオンは過去の遺物なので同一ではない)
②このツイート時点では淵下宮は公開されていなかったので、ゲームで公開された時点で「到着した」とみなす。
③そもそも「淵下宮」は「テイワット」ではない。
詳しい説明があるわけではないので、かなり解釈が難しいところですね。
で、実際のところどうなの
この記事に関して作品間の対立煽りや攻撃的なコメントはご遠慮願いします(大事なことなので二回言いました)。
淵下宮のハイペリオンは崩壊のハイペリオンは別物・・・というのが私の個人的な印象です。
私がそう結論した理由は次の通りです。
①二つのハイペリオンには(現時点では)機能的共通点がない。
②原神のハイペリオンはギリシャ神話の伝承と同一の扱われ方をしており、これは淵下宮全体の傾向である。
③名称が統一されているのは翻訳版のみであり、本国版では名称が異なっている。現状では日本へのファンサービスに近い扱いか翻訳班が先走った可能性もあるかなと思っている。
④公式が「まだ」到着していないと言っているので、ただの残骸に近い扱いではなく、もっと大きな扱いが別であると予想している。
ということです。
とはいえ、私の考えは全てただの予想に過ぎないので、各々がどのように受け取るかはもちろん自由だと思います。
ではでは~。