この記事は、2023年11月時点の情報を元にネタバレや個人の見解を含んでいます。今後の実装次第で公式と大きく異なる記事となる可能性がありますのでご了承ください。
今回は、これまで語られることがほとんどなかった、ファデュイ執行官である「傀儡」こと「サンドローネ」の正体について語るお話です。
放浪者のボイスによると、彼が「執行官だった時代(六位)の自分よりも一位下だった」と説明されているため、第七席ということになります。
着ている衣装がフォンテーヌ風であることから、魔神任務での登場も期待されていましたが結局Ver4.2でも登場することはありませんでした。
執行官は約1年前に公開された冬夜の戯劇で全員の顔と声優が公開されましたが、「傀儡」の場合は「淑女」の葬式について言い争う他の執行官に対して「ふんっ、実に滑稽ね。」と呆れた声を残したのみで、ゲーム内では未登場なうえ、開示されている情報もほとんどありません。
しかし、その僅かな情報を積み上げていくと、少しずつその目的と正体について見えてきました。
「傀儡」=アラン・ギヨタン説
「傀儡」の正体はフォンテーヌの天才科学者「アラン・ギヨタン」だと思われます。
そして、彼の目的は「唯一大切な存在」であった妹マリアンを完全再現した「完璧なる思考機械」を作ることでしょう。
これについて順番に説明していきます。
まず、アラン・ギヨタンとは、約400年以上前の人物で「水仙十字院」という孤児院の出身者です。
孤児院自体は既に消滅していますが、聖遺物「水仙の夢」を読むと、この水仙十字院の末裔は現在も活動していることが分かります。
「水仙の名において、すべての常理を超えた旅に出た」者は「水仙十字結社」を結成し運命=常理を超えて世界を救おうとしたルネとジェイコブのこと。
「枯れた花を大事にし、未完の午後の冒険譚を懐かしむ」者は安息の地の主である「マリアン(水)」のことでしょう。
そして「ある者は精密な仕掛けと鋼の体を頼りに進む道を探している」者、これがアランであり「傀儡」のことでしょう。
何故そう言えるのか説明すると、そもそも「傀儡」の衣装自体がフォンテーヌ風にですし、クロックワーク店の看板は人形をモチーフにしています (アランはクロックワーク・マシナリーの発案者)
何よりも、水仙十字院関係者の中で「精密な仕掛け」に通じているのは唯一アランのみです。
そして孤児であったアランが唯一大事にしていたものが妹のアン(マリアン)でした。
しかし、この二人の兄妹に最大の悲劇が起こります。
かつては同じ孤児院出身であり友人でもあったルネとジェイコブは秘密組織「水仙十字結社」を設立し、救世を名目に非人道的な実験に手を染めるようになります。
反対側にアランとアンは当局側の組織であるマレショーセ・ファントムに所属していました。
水仙十字院の活動は日増しに大きくなり続け、ついにはかつてフォンテーヌを滅亡の淵に追いやった「巨獣エリナス」の復活を目論んだのです。
この情報をつかんだアランはマリアンとともにエリナスの墓所に赴き、ルネらと対峙。
この戦いはマレショーセ・ファントム側が勝利しますが、激しい戦いにより死傷者は続出。
マリアンもこの戦いで死亡しました。*1
*1 世界任務「水仙の痕跡を辿って」では、死にゆくアンの姿に狼狽した純水精霊リリスが彼女の意識と融合したことが説明されていますが、少なくともアラン視点では死亡したことになっている。
大切な妹を失ったアランは研究室に引きこもり「なにか」の研究に没頭したのち(恐らく寿命で)死亡していますが、この研究が恐らく思考する機械——「アン人形=少女型傀儡」ではないかなと。
元々妹のアンの護衛として作っていた機械犬セイモアは思考型機械のプロトタイプで非常に優秀な知能を持っていますが、当然人間とは比べられるようなものではありません。
「少女型」の後ろのデカブツの構造は遺跡守衛がベースですが、アランはカーンルイアの遺跡守衛も研究対象にしていました。
この「アン」人形の後ろにいる「遺跡守衛」こそが本体たるアランなのかもしれません(或いはデカブツの内部に格納されているとか)
記録上ではアランは死亡していますが、彼は結社と敵対するマレショーセ・ファントムでもあったため、調査の過程で結社の研究の一つ「意識の移植」を知っていれば、機械の体に自分の意識を移すことも不可能ではないでしょう。
表向きは、前に出ている少女が本体となっています(声優紹介より)が、本体と見せかけたものがからくりであるというのは、この手のキャラの様式美ですからね。
そしてなによりも「傀儡」はあまりにもマリアンと似過ぎています。
以前に某人物が「傀儡」に似ているということで話題になったことがあり、私はこの時は否定派だったので申し訳ない気分なのですが、さすがにこれは同一の造形と言って良いレベルではないかなと。
「公子」は覚えがないのに「傀儡」に殺したそうな目で見られると言っていますが、水仙十字院の末裔がバラバラになった原因は世界の滅亡を回避するためにルネが暴走したことであり、その滅亡は原始胎海からきています。
そうすると、更にその遠因となるタルタリヤに理不尽な怒りを抱くのも分かる気がします。
また、世界任務「問題メリュジーヌと解決ロボ」では、モッソ博士に製作された、思考する機械「カーブ」が登場します。
この「カーブ」がどうやって造られたのかというデータを「知能を有する機械に興味を持つ執行官」が必要としているのだと、ファデュイのエージェントが言っていましたが、最終的にこのエージェントの悪あがきで「カーブ」は破壊されてしまいます。
すると執行官は罰としてエージェントを「精神に異常をきたして人形みたいに」なった状態で捨て置きました。
現在登場する中で、このような「思考する機械」に興味を持ちそうなのは「博士」か「傀儡」でしょうが、状況的に「傀儡」の方がありそうな気がします。
終わりに
傀儡=アラン説は以上になります。
実際のところ、アランの意識がどのように継承されているかは現時点では何とも言えません。
意識の移植かもしれませんが、単に自分の思考パターンをコンピューター化した思考ロボットのようなものかもしれませんし(そうだとすると「同類」のカーブを大切に思ったのも理解できます)。
魔神任務は終了しましたが、フォンテーヌの拡張はまだまだ続きますので、今後の展開が楽しみですね。