今回は執行官である「召使」こと「アルレッキーノ」について語ります。
彼女はVer4.6での実装が予定されていますが、これまでに公表された情報を振り返るとともに、その正体に関する考察と「前任の召使い」についても解説します。
*この考察は、2024年3月時点の情報を元にネタバレや個人の見解を含んでいます。今後の実装次第で公式と大きく異なる考察となる可能性がありますのでご了承ください。
「召使」について
召使—アルレッキーノとは、スネージナヤの氷神に仕える11人の執行官の1人で、序列四位に位置します。

執行官ナンバーは実力順であり、かつ上位3人は神に匹敵する力を持っていると言われているため、召使は人間レベルの中では最高ランクの力を持っていると考えられます。

神の目は「炎元素」で自身の背中に取り付けています。

執行官であるため邪眼も持っているはずですが、邪眼の元素は不明です。
ちなみに、発表前は背中の神の目が「邪眼」ではないかとも言われていましたが、邪眼か否かは宝石の中にファデュイマークが入っているかどうかで判別可能です。

初めてビジュアルが解禁されたのは執行官が勢ぞろいするPV「冬夜の戯劇」で、淑女の葬儀に参加しました。

「アルレッキーノ」とはコードネームであり、本名は不明。
元ネタはイタリアの仮面即興演劇であるコンメディア・デッラルテの役職です。
劇の中では「軽業師」「道化師」「ペテン師」といった役回りで同じ執行官の「少女」の役職名「コロンビーナ」とは恋人関係にありますが、原神の世界観でこの役回りが当てはまるかは不明です。

プレイアブルキャラである「リネ」「リネット」「フレミネ」は過去に「召使」にそれぞれ救われた過去を持っているため、彼女と「家」に対して並々ならぬ忠誠心を持っています。

「召使」の職務
他に執行官と同じく「神の心」を入手することを目的としますが、それ以外にも孤児院「壁炉の家(ハウス・オブ・ハース)」の運営を行っています。
女性であるにも関わらず、子どもたちからは「お父様」と呼ばれていますが、壁炉の家の孤児は「女王陛下の子供たち」なので「女皇陛下=母」に対して「父」なのではないかと推測されています。


また、このうちフォンテーヌには「ブーフ・ド・エテの館」というフォンテーヌ人のみで構成された支部があり、召使自身もフォンテーヌ人と言われています。

稲妻の世界任務「特別なおみくじ」に登場するリュドヒカは稲妻人の血を引いているため、稲妻での工作任務を請け負っていました。
現地出身者をそのまま工作員にするのは理に叶っているため、他の国々にも現地人だけで構成された支部が存在している可能性は高そうです。

「召使」の代替わり
作中で「召使」と呼ばれる人物は二人存在します。
現在の召使は旅人の前に姿を現した彼女ですが、実は数年前までは別の女性が「召使」の役職についていました。(フレミネのキャラストで女性であるのは判明しています)

前院長は虚言と恐怖で心を縛りつけた「子供たち」を道具として利用していました。
フレミネの母親は、彼を孤児院に預けましたが、前院長はそのことをフレミネに伝えず「お前は母親に捨てられた」とだけ告げて心を凍らせます。

稲妻の世界任務「特別なおみくじ」では、召使の部下を名乗る「先生(エフィ)」が彼女のために稲妻の井戸に毒を入れて混乱を起こすとともに、孤児を生み出してファデュイに入れることで体制を強化するという一石二鳥の作戦を実行しようとしました。

簡単に説明すると、ヤクザの抗争に巻き込まれて親を失った子どもを拾い、ヤクザの鉄砲玉に仕立てあげるという、なかなか外道な作戦ですね。
何も知らない孤児を育てれば、彼らは自然と組織に忠誠心を抱き、安心して任務を与えることができますから。

・・・おっと、これは全然違うキャラのセリフでした失敬失敬。
しかし、この手段は前院長に心酔していた「先生」がアルレッキーノの名前を勝手に利用して行ったことで、裏には別の黒幕が存在することを百代さんから教えてもらえます。

この前任の「召使」は今から数年前に壁炉の家のある子どもにより殺害され、その後任として席に着いたのが現召使です。(前任を殺害した子供が今の「召使」本人なのか別人かは不明)

現「召使」のやり方は前任とは全く違い、壁炉の家は子どもたちにとって安心できる家である必要があると考えています。
かつてリネとリネットの双子は貴族の養子として生活をしていましたが、その実態は人身売買としての悍ましい欲望の捌け口にされていました。
召使はリネットを襲おうとした男と、そのような目に遭わせた養親をも殺害し、二人に「裏切られることのない安心な家」を提供しました。


このようなことがあったため、2人は彼女に対して心酔しています。巨額の借金に息子を巻き込まないために
また、「召使」はフレミネの家を奪った高利貸しと、彼を「売った」母親のところに赴きます。
彼女はそこで高利貸しを殺害し、すでに死んでいた母親の傍にあった形見のペンダントをフレミネに渡すと、彼に母親が息子を売ったというのは前院長がついた嘘だったという「真実」を伝えました。
母親は彼を売ったのではなく、借金のカタとして売られるよりは孤児院に預ける方が息子を守れるだろうと判断して代わりに自らの身を捧げたのだと。

ゲーム内で「召使」が直接登場したのはフォンテーヌの魔神任務中にフリーナと会見するときで、この時は「予言」阻止のために今後の協力を依頼するというもので、その後は孤児院の子供たちを動員し、旅人に情報を提供しました。


つまり、今の召使はあくまでもスネージナヤのために活動するのは当然としても、非道な手段を取ることはなく、フォンテーヌ魔神任務では一貫として国のために活動し旅人とも友好関係を築いており、一部も隙も無くプレイアブル化も一切問題がないことが分かりますね。

……でも本当は?
百代さんから与えられた「先生」の情報はあくまでも捕虜から得たものであり、その真実性には一切の保証がないと釘を刺されます。

執行官仲間であるタルタリヤやスカラマシュからの召使に対する評価は「最悪」の一言で、その甘言は他人を「コントロール」するためでしかないそうです。

そういえば、フレミネに対して行った説明もただの召使の一方的な説明に過ぎず、母親は死んでいるため、そこにはなんの証拠もありません。
とはいえ、実際にプレイアブルになる以上、原神のゲーム性を考えたら単なる極悪人というのもちょっと考えにくくはありますが……(崩壊シリーズなら普通に悪人にされそう)
果たして召使は善人なのか悪人なのか……
皆さんはどう思いますか?
まあ、もちろん彼女自身が言うように人とは複数の顔を併せ持つものであり、単純に「善悪」の一言で済ませられるようなものではありませんが。

「壁炉の家」について
「壁炉の家」とは、「召使」により設立されたテイワットの孤児たちが所属する機関です。

同時に孤児たちは「女皇陛下の子供たち」とされ、男性であればスネージヴィッチ(雪の息子)、女性であればスネージヴナ(雪の娘)の姓を与えられます。

「スネージナヤ」とはロシア語で「雪の」を意味する
「~ヴィッチ」はロシアの命名規則で「~の息子」を意味し、同じく「~ヴナ」は「~の娘」を意味する。
なお以前は「シュナイツェヴィッチ」「シュナイツェフナ」でしたが翻訳修正されています。
そして、その孤児たちが成人し素質があると認められれば、ファデュイの一員として専門的な訓練を受け、各執行官の元へ派遣されていくことになります。
「召使」の正体についての個人的考察
「召使」に関して一番気になるのは、やはり肘から先が黒く染まっていることと数年前に執行官になったばかりなのに実力順で4位になったという不気味さですね。

この特徴は世界任務「未完成のコメディ」に登場したキャタピラーと同様ですが、彼の正体はヒルチャールでした。


召使とキャタピラーが直接に関わることはありませんでしたが、この肉体的特徴の共通点は気になります。
キャタピラーは元々水仙十字院の実験体でしたが、このような実験が行われたのは彼らが世界に匹敵する意思を持つ者——「降臨者」を生み出し、破滅の運命を覆すためでした。

ノートにも書かれているように、世界の外から来た人物全てが「降臨者」となるわけではなく、そういった「至らなかった」人物は「外来者」と呼ばれています。
例えば、「降臨者」の概念が明らかになった時に話題になったアーロイは神の目を持っている=運命(世界)に縛られているため降臨者ではなく外来者枠に位置していると考えられます。

さて、Ver4.5で追加された書物「ペリンヘル」ではカーンルイア時代の出来事が書かれています。

それによると、かつてカーンルイアには世界の外から漂着した人物や孤児などを集めた「教養院」という施設を作り、そこで「降臨者」の誕生を模索していました。

召使の命の星座名「浄煉の炎」は「煉獄の炎」のことで、これは罪人を浄化する炎のことです。

スメールの地下にはカーンルイアに繋がる巨大な扉がありますが、この扉で手に入るアチーブメント「…一切の希望を捨てよ」はダンテの『神曲』に登場する地獄への門の銘文「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」が元ネタです。

このダンテの『神曲』には「煉獄」についても多くの記述が割かれています。
「ペリンヘリ」では「壁炉の中の『双界の炎』」を通り抜けて「転生する」という儀式が存在しており、その最中に「真っ赤な月」を目撃しています。

この書籍は水仙十字院の一員であるジェイコブ・インゴルドの義父カール・インゴルトの著作が元になっており、施設の目的も含めて考えると、恐らくこれは「双界の炎(煉獄の炎)」で運命を浄化し後天的に降臨者を造ろうとしたと考えられます。
「召使」のキャラ紹介が発表されたとき、彼女のことを紹介したのはカーンルイア人である「道化」でした。

彼女の称号は「瞑天の凶月」ですが一般的に不吉な月とは「赤い月」のことを指します。
この「赤い月」は上記の降臨者製造実験以外にもカーンルイア滅亡時の象徴としても登場しており、何かとカーンルイアとの繋がりを連想させます。

しかし、カーンルイアの「教養院」も水仙十字結社も、結局は降臨者を作り出すことはできず全て失敗に終わりました。


「召使」も元々は実験体であり、ペリンヘリと同じように「降臨者」となるべく儀式を行ったが失敗。
身体の一部は双界の炎により黒く焦げたが、それでも儀式の影響により通常の人間を遥かに超えた力を得た存在になったのではないかと予想しています。
どの情報も断片でぶつ切りですが、彼女が持つ情報がカーンルイアに深く関わっている匂わせを感じられるため、Ver4.6における本格的な情報の公開が待ち遠しいですね。