どうも、篝火文書店の店長のはるとです。
Ver2.5で雷電将軍の伝説任務2「須臾百夢」が実装されました。
このお話には、雷電将軍と雷電影の戦いや、鎖国令の解除に、まさかの雷電眞の登場に、神櫻の真相が明らかになるなど情報が盛りだくさんでしたが、一番色々な人が気になっている点は
「神櫻」が絡む時間のパラドクス
についてだと思います。
この点について色々な説を検討した結果、最終的に自分で納得のいく「真相」ができました。
しかし、今回のお話は複数の解釈が可能ですので、あくまで一つの説としてお読みください。
そもそも「神櫻」は何のために存在したのか?
今から約500年前に起きたカーンルイアの滅亡を契機として、「漆黒の軍隊」が稲妻全土を襲いました。
当時の人々の献身と狐斎宮らの犠牲により漆黒の軍隊は撃退されましたが、その戦いにより生まれた「穢れ」は稲妻に残り続け悪影響を及ぼそうとしていました。
それを防いだのが神櫻です。
神櫻の音は稲妻全土に張り巡らされており、その根は穢れを吸収して土地や人々への影響を抑えました。
しかし、神櫻に蓄えられた「穢れ」は自然に浄化されることがないため、定期的にその穢れを膿みだし浄化する必要があります。
そのための儀式が「花散里」によって依頼された神櫻大祓です。
旅人は彼女の依頼により、神櫻の穢れを浄化していくことになりますが、これはまた別のお話・・・
神櫻の「出現」
さて、伝説任務2の途中で、旅人たちは影から不思議な話を語られます。
先代雷神である雷電眞は、500年前の災厄の途中に稲妻を抜け出してカーンルイアに赴きます。
影はそのことに気が付き、カーンルイアに慌てて向かいましたが、時すでに遅く、影は到着したときには眞は既に瀕死の状態でした。
最早、眞を救うことができないことに気が付いた影は彼女の意識空間だけを稲妻に持ち帰りました。
すると、影にとって不思議なことが起きます。
これまで確かに存在しなかったはずの神櫻が突如として、影向山で咲き誇っていたのです。
しかも、神櫻が突如として「現れた」ことに気が付いたのは、雷電影ただ一人のみでした。
それ以外のものは全て――八重神子ですら、「神櫻は昔からずっとあった」と認識していたのです。
この時、彼女はどうしてもこの奇妙な現象を解き明かすことができませんでした。
さて、伝説任務2の終盤において、旅人の介入により影と眞が邂逅しました。
そして眞から影に「神櫻の種」が手渡された、影の意志により神櫻が生えます。
一見すると、これによって500年前の稲妻に神櫻が発芽したかのように思えますが、これは正確な表現ではありません。
何故ならば、影以外の誰もが500年前よりもさらに過去から神櫻は存在していたと認識しているからです。
あくまで小説の話ですが、朱鷺町物語でははるか遠い過去に狸と狐が雷櫻の所有権を争っています。
昔々、弱く短命な凡人たちが海を渡る術を持たなかった時代、稲妻は狸の国だった。
狸はものぐさで気まぐれな生き物だ。悩みは一晩寝れば忘れ、明日を憂うこともない。毎日がお祭り騒ぎで、あの頃の稲妻は狸の楽園だった。少なくとも、狸一族のお年寄りたちは皆そう言う。
ある時、狐たちが海を渡ってきて、狸たちと争いをはじめた。戦は八百年、また八百年と続き、双方ともに甚大な被害を被り、ついに和平交渉を行った。狸は未だに負けてはいないと言い張るが、あの大きな大きな雷櫻を狐一族に明け渡すこととなった。
よって、旅人たちが現存している世界線においては、500年前よりも更に遥か昔から神櫻が存在していたと考えられます。
①影からすれば突如して現れたはずの神櫻が、何故他のみなからは大昔から櫻があったようと言っているのか
ここで改めて、ムービーを見返すと、眞から「種」を受け取った影は、その場で種を落として神櫻を生やします。
その場とは、眞の意識空間の中です。
そうです、本当に神櫻が生えている場所は眞の意識の中だったわけですね。
八重神子は「影が(眞の)意識空間に神櫻を植え、それが過去の稲妻で発芽した」と述べています。
注:日本語版は「現在の影が自らの意識空間に神櫻を植え」と供述しているが、これは誤訳で、原語版では「如今的影亲手在意识空间里种下神櫻树(現在の影が自分の手で意識空間に神櫻を植えた)」となっており、誰の意識空間であるかは特定されていない。
しかし、あの意識空間に入る際に「眞の意識空間」と説明がされ、任務終了時にアイテム「夢櫻」には「眞の意志空間から離れる前」とあるので、神櫻が植えられたのは「眞の意識空間」であることは間違いないだろう。
なぜこのようなことが起きるのかというと、「永遠」は時間の概念と密接しており、眞はそれを深く理解しているからです。
旅人が眞の意識空間内に入る際には、時間は前進しながら後退するという体験をしており、そこが時間の概念が曖昧な空間であることが分かります。
このことから「眞の意識空間」は、過去から未来に進むという正常な時間の概念が通用しない世界であることが分かります。
そして神櫻とは眞のそのものです。
つまり、眞の意識そのものに神櫻が植えられた結果、過去の稲妻で発芽したというのは、眞が存在していた時間軸全てに神櫻も存在することを指しているのではないでしょうか。
逆に言えば、眞の意識空間が「神櫻」の起点であり、それがなければ、そこに神櫻は存在しないことになります。
そう考えると、カーンルイアに出向く前の影が「神櫻は稲妻になかった」ということを認識するのは当たり前の話です。
実際に存在していなかったのですから。
しかし、影がカーンルイアから眞の意識空間を稲妻に持ち帰ったため、稲妻には大昔から神櫻が存在していたことになったのです。
だから、八重神子が「神櫻は昔から存在していた」というのも当然です。
実際に存在していた(ことになった)のですから。
②なぜ、当初の影が神櫻から眞の意識を感じることができなったのか
しかし、「神櫻が昔から存在していた」事実を唯一認識できない例外が影です。
他のものと異なり、影は自分自身が神桜の種を植えた存在です。
よって彼女だけは「神櫻の観測者」となります。
(ミホヨの好きな)量子力学における「状態」は、観測能力のあるものが観測することによって確定するという理論があります。
500年前の神櫻が突然現れた時、影は「神櫻は眞の意識空間によるものではないか」と考え、八重神子に証明しようとしましたが、それはうまく行きませんでした。
何故なら、影本人にとっては「神櫻はまだ植えられていない(種を植えるところを観測していない)」ものだったからです。
つまり、あの神櫻は(当時の影にとっては)外見だけの空っぽの状態であり、ただの櫻に過ぎませんでした。
しかし、今回の任務で影が種を植えたことにより、神櫻は観測者である影に認識され、本当の意味での神櫻となりました。
③なぜ「ただの櫻」に浸食を防ぐ力があったのか
しかし、そうするとまた再び別の疑問が現れます。
あの櫻が神櫻ではない「ただの櫻」でしかないならば、あの櫻にアビスの「浸食」を防ぐ力などないはずです。
しかし、現に神櫻は浸食を防ぐ力がありました。
観測者である影自身には、あの櫻はまだ空っぽです。
しかし、ここで時間のパラドクスが起きています。
本来、この神櫻がなければ稲妻は滅んでいたはずでした。
しかし、もし稲妻に神櫻の力が存在せず滅んでしまっていた場合、影が眞の意識と邂逅することもなく、「眞の意識空間に神櫻が植えられる」という結果も存在していません。
これを防ぐには、まず先に「稲妻が浸食から守られる」という結果が存在している必要があるわけです。
つまり、この時点で稲妻は「種が植えられ神櫻が生えた結果、稲妻が守られた」のではなく、「稲妻が守られた結果、種が植えられ神櫻が生えた」と因果が逆転してしまっていることになります。
そして、種が植えることができたのは、影が自身の未来を乗り越え、眞の「永遠」を掴んだからです。
影は、「眞が先に稲妻を守った」ということを考えて自分を卑下していますが、因果が逆転しているだけで、影と眞の双方の力があってこそ神櫻が生まれ稲妻が守られたのです。
何故このような都合のいい因果の逆転現象を起こせたのかというと、眞に「時間の神の力」を持つものが関与したからです。
影は眞が「より高度な力」を関与していたかもしれないと語ります。
より高度な力——イスタロト――とは淵下宮の書籍内で登場する、時間の執政トロタスイのことです。
時間の執政は、その名の通り様々な時間に関する能力を持っていますが、その中の一つとして、「種」を過去と未来へ持っていく力を持っています。
まさしく、今回のストーリーにそのまま当てはまる能力ですね。
同時に眞は神櫻が発芽するのは「それを生みし者(影)の心と夢次第」とも答えています。
この書籍には「一念で千劫の辛労を尽くす」ことで枝が一瞬で木に成長するケースを紹介しています。
千劫とは「極めて長い時間」のことを指しますが、雷電影はあの意識空間の中で(恐らくは)数百年に渡って「雷電将軍」と死闘を繰り広げていました。
この戦いの果てに「永遠」を掴んだ影は、あの時点で既に千劫の辛労を尽くしていました。
だから、神櫻は一瞬で咲き誇ることができたのです。
結論
①500年前までの稲妻には、「神櫻」は存在しなかった。しかし、カーンルイアから影が「眞の意識空間」を持ち帰ったため、眞の意識空間内に(未来の影によって)植えられた神櫻が、稲妻の過去と未来全てに出現した。
これは眞の意識空間には「時間」の概念がない(曖昧な)ため。
②しかし、「神櫻の観測者」である影だけは、この神櫻は「まだ植えられていなかった」ため、これを「眞である」と認識できなかった。
③しかし、「この神櫻」はまだ植えられていないにも関わらず、既に神櫻としての力を持ち、穢れを吸収して稲妻の滅亡を防ぐことができた。
これは、「種が植えられ神櫻が生えた結果、稲妻が守られた」という因果が「稲妻が守られた結果、種が植えられ神櫻が生えた」と逆転したため。
この因果の逆転現象が起こせたのは、眞に「高度な力(時間の神)」が助けを与えたから。
というのが「私の」結論になります。
今回の件が非常にややこしいのは、時間の神の力を持つ眞によって因果の逆転による「時間のパラドクス」が起きたことと、「神櫻の観測者」である影による「量子力学」が複雑に絡み合っているせいです。
Ver2.3のアルベドイベントもそうでしたが、最近の追加任務はプレイヤーに対する挑戦の比重が増えてきているように思えます。
どこまで付いていけるか、結構自信がない感じになってきましたが、できる限りは頑張りたいと思います。
ではでは~