*この記事は、2024年7月時点の情報を元にネタバレや個人の見解を含んでいます。
今後の実装次第で公式と大きく異なる内容となる可能性がありますのでご了承ください。
7/31 動画版を作成しました。
内容に変更はありませんが一部画像を追加して分かりやすくなるように再構成しています。
旅人の元に届いた不思議な絵本に導かれて迷い込んだ世界「シムランカ」。
それは三女神たちが作り上げ、折り紙の動物や積み木の小人に、ブロックの作業員などを住民とする優しい童話の世界でした。
しかし、ある日突然このシムランカに人々を苦しめる「悪龍」が降臨。
王国は恐怖に包まれます。
住民たちは女神が残した「異世界の勇者とその仲間が、この世界に再び平和をもたらすだろう」という預言を信じて待っていたところに旅人が現れたのです。
シムランカを巡って住民を助け、前へ進み続けた旅人たちは、ついに最奥の鉱山で「悪龍」と対峙します。
この「シムランカの悪龍」の名は「ドゥリン」。
彼は500年前のモンドに降臨し、周囲を腐食させる恐るべき「毒」の力で甚大な被害を与えた「悪龍」と同じ名前を持っていました。
この「テイワットのドゥリン」は、風龍トワリンの牙に首をかみ砕かれ、ドラゴンスパインの雪山に墜落して死亡しました。
「龍眠の谷」に残された巨大な骨はその遺体です。
彼はこの死んでしまった「本当のドゥリン」を元にして作られた創造物だったのです。
しかし、シムランカとは絵本を元にして作られた創作の世界のはず。
500年前に死んだ「ドゥリン」がどう関わってくるのか?
それを知るためには、彼の誕生まで遡る必要があります。
モンドの災害とドゥリンの誕生
今からおよそ500年前のこと。
カーンルイア滅亡を契機として、テイワット全土に「漆黒の災害」が発生し、あまたの人々が犠牲となりました。
モンドには魔物たちが大量に襲来し、当時の西風騎士団が人々を守るために戦いましたが、当然犠牲は避けられません。
そして、その中には当時の西風騎士団副隊長であったルースタンも含まれていました。
彼の恋人であったロザリンは当時スメールに遊学しており、帰国して恋人の死を知った彼女は魔物への憎悪から人であることを捨て「炎の魔女」となります。
そして同時に地の底から漆黒の邪龍ドゥリンが襲来。
彼の身体はテイワットとは相容れない「世界外の力」で構成されており、そこに存在するだけで「毒」として周囲を腐食させる力を持つ危険な「悪龍」だったのです。
人々の嘆きを聞いたモンドの風神バルバトスは、眷属である風龍トワリンとともにドゥリンと対決。
激しい戦いの末、最後にはトワリンの牙がドゥリンを貫き、毒龍はドラゴンスパインの雪山に墜落します。
バルバトスは死してもなおドゥリンの死骸が周囲に悪影響を及ぼすことを予測して、毒を封印するためにこの雪山を戦いの場に選んだのでした。
こうしてモンドを襲った邪悪な龍は偉大なる神と輝く龍により退治されモンドには平和が戻りました。
しかし……
「悪龍」の真実
今はもう滅んでしまった国カーンルイアには生命を作り出せる「黒土の術」を操る錬金術師が在籍していました。
魔女会コードRこと、「黄金」のレインドット。
今では「罪人」とも呼ばれる彼女は、錬金術の実験を繰り返し、様々な生命を作り上げます。
「侵食」の力を持ちプレイヤーを苦しめる「獣域ハウンド」も彼女の作品の一つです。
そして、モンドを襲った魔龍ドゥリンまた彼女が作り上げた存在だったのです。
明言はされていませんが、フォンテーヌを襲った魔獣エリナスも恐らく彼女の作品です。
レインドットは暗い宇宙を彷徨っていた魂を見つけ、錬金術の力を用いてテイワットに生誕させました。
ドゥリンが元いた暗い宇宙のことを、エリナスは冷たくて寂しくて泣いてしまうような世界だった話していました。
そんな世界から手を差し伸べられ、テイワットに生まれ落ちた彼はその美しさに喜び、はしゃぎまわります。
しかし生まれたての赤子であった彼は何も知りませんでした。
自分が「楽しい」と思うことは人間にとって恐るべき破壊なのだということを。
人々の嘆きは彼にとって美しい歌声に聞こえていました。
ドゥリンを止めようとした風龍トワリンとの戦いは、彼にとって一緒に踊ってくれる楽しいダンスと思っていました。
ましてや、この世界とは相容れない「漆黒の力」を持つその肉体は、ただ存在するだけで世界を蝕む「毒」であるなんて気が付きもしませんでした。
そんな無邪気な赤子だった彼が「目を開けた」時ーーようやく世界を正しく認識できるようになったときには、もはや取り返しのつかない事態になっていました。
トワリンが恋人のようにその牙を彼の首にあてたとき、全てを悟った彼はそれを優しく受け止めて死へ旅立ちました。
一才の悪意がなく、しかし存在することすら許されなかった一匹の龍。
創造主からも見捨てられた、その運命を哀れんで手を差し伸べる存在が現れました。
それが魔女M……童話作家であったアンデシュドッテルです。
ドゥリンの存在とその結末を知った彼女は、このシムランカに「ドゥリン」を登場させて、せめて物語の中でも幸せになって欲しいと考えます
しかし、同じ魔女B……占い師バーベロスは反対します。
このシムランカの運命は現実世界のテイワットを投影して作られたものだからです。
つまり、この世界で起きる出来事は現実世界で起きたことが反映されることになります。
ドゥリンの運命である「創造主に見捨てられ孤独に死ぬ」こともまたトレースされてしまい、悲しみの運命を歩むことは目に見えていると。
しかし魔女Mは、「完全に同じ世界ではないのだから、別の運命を歩める可能性を信じたい」と反対を押し切って「ドゥリン」を創造。
そして、「母」として、ドゥリンに「いつか未来に素敵な友達ができる」と祝福を授けてこの世を去りました。
シムランカはテイワットの投影⋯⋯魔女Bの言葉通り、「ドゥリン」もまた呪われた存在として生まれ落ちます。
その体に触れたものは全て積み木になってしまうため、彼は呪いを撒き散らす「悪龍」としてシムランカ住民に忌み嫌われました。
しかし、長い長い年月の中を孤独に過ごしてきた「ドゥリン」の前に、ついにテイワットからの来訪者が現れます。
放浪者、ニィロウ、ナヴィア、綺良々、パイモン、そして旅人……。
彼らの祝福によりドゥリンの「呪い」は解け、彼が望み続けた「友達」を作ることができるようになったのです。
「ドゥリン」の復活
こうして「シムランカの悪龍」は呪いから解放されめでたしめでたし・・・では話は終わりませんでした。
放浪者はシムランカの記憶に触れたとき、シャア専用三倍偉大なる星学者が残したある予言を知ります。
いつか未来にRの子……真のドゥリンが復活する。
漆黒の魔獣たちの生命力は凄まじく、ドゥリンの強大な肉体は死体となっても未だに「活動」しています。
ドラゴンスパインの山脈に残されたドゥリンの心臓は未だに脈打ち続け、そこから流れ出る血は周囲の生態系に影響を与えていますが、この心臓が最近ますます活発になってきたことにアルベドは気が付きました。
これにより、彼はBの予言通りドゥリンが本当に復活してもおかしくないと判断します。
ドゥリンの「毒」は存在そのものであり、彼が望もうと望むまいと、もしも復活してしまった場合、その意思に関係なく再び「悪龍」となることは目に見えています。
しかし、アルベドは預言通りにドゥリンが復活しても「悪龍」にならないことを望み、そのために「ちびドゥリン」と放浪者に助けを求めます。
彼がドゥリンを助けたいと願うのは、彼自身も特別な出自だからです。
実はアルベドの正体は人造人間――彼もまた「黄金」のレインドットの創造物でした。
彼だけは「最高傑作」として「息子」と呼ばれ、更に弟子として錬金術の手解きを受けるなどの待遇を受けています。
しかし、アルベドからすれば、ドゥリンも等しく家族です。
そして――アルベドにとって家族とは助けあう対象だということです。
アルベドは魔女の行いを見て、ある大胆な仮説を思いつきました。
それは、シムランカがテイワットの投影であるならば、シムランカで起きた出来事もテイワットに影響を与えるかもしれないと。
ドゥリンが持つ「呪い」は生来のものであり、誰にもどうしようもできなかった。
しかし、シムランカでは、その「呪い」から解き放たれたちびドゥリンと、「悪龍」を救った「勇者」である放浪者という因果が生まれました。
更に今のテイワットには「物語の外」から「祝福」を与えられる旅人という特異点が存在しています。
これらが揃えば、例えドゥリンが本当に復活したとしても、その「呪い」から解放できると考えたのでしょう。
そうすれば彼が他人をケガさせたり、死なせたりすることなく、胸を張って大地を歩ける日が来るのではないかと。
ちなみにアルベド自身もいつの日か「暴走」するのではないかという伏線を残していたりします。
アルベドの関係のイベントストーリーは雪山が舞台のためか、どれも冬の時期に配信されているので、もしかしたから今年の冬には何か動きがあるかもしれませんね。