お代はラヴでけっこう

[ダークソウル]クァトとモーンの正体についての話

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 さて、今回はダークソウル2から登場した「涙の神クァト」と3で新たに判明した「従者モーン」についての物語について考察します・

 そして情報量とんでもないから、すごく長くなってしまいました・・・。

女神クァトは魔女である

 さて、まずはクァトについてなのですが、先に結論から書いてまうと、女神クァトは、ずばり魔女だったと思われます。

 彼女の魔術の大元は1にその存在が語られていた封印の魔術師ユルヴァによるものなんですね。

 ユルヴァは元々は小ロンド遺跡の封印を監視する任務を負っていましたが、やがて永遠の任務に飽きてしまい、イングヴァードを残して、もう一人とともに出奔してしまいました。

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 しかし、ユルヴァは旅する最中で毒に侵された病み村の惨状に心を痛めて「治癒」の魔法で村人を癒していたんです。

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 封印の魔術師は元来「癒し手」と呼ばれていた人々なので、毒で苦しむ亡者たちを見捨てられなかったのでしょうね・・・。

 恐らく、クァトはこのユルヴァの弟子だったんでしょう。
その魔術を受け継いだ魔女(魔術を使うのだから聖女ではなく魔女ですね)であるクァトは、師匠と同じく癒し手としてその治癒魔術を使って、同じように苦しむ人々を救い回っていったんです。

 最初に魔術と書きましたが、一般的なファンタジーのイメージと違い、元々は治癒は魔術師の魔法でした。

 しかし、同時にダークソウルの世界では奇跡とは物語であると規定されています。

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奇跡とは人々が語り継ぐ「物語」そのもの

 つまり、元が魔術であろうともそこに「何らかの物語」を介在すれば奇跡になるわけです。

 さて、奇跡とは物語なわけですが、何が起きたか事故か殺害されたのかユルヴァは魔術と装備が病み村の底で見つかることから、ゲーム開始時点ですでに死亡していると予想できます。

 しかし、この時点ではまだ「治癒」は魔術です。
つまり、治癒を魔術にしたのはユルヴァの物語ではないということですね。

 となると、魔術を奇跡に昇華したのはクァトとしか考えまれません。
このクァトの行いが人々に知れ渡り物語となったことで、治癒は魔術から奇跡となったんです。

 このことを裏付けることとして、「治癒の祈り」が「純粋な奇跡ではないようだ」と説明されているのは、本来は魔術だったからであり、「治癒の涙」はモーンが伝えたクァトとの物語であると説明されていることから、まず間違いないでしょう。

 クァトは魔女でしたが、師匠の跡を継いで各地で人々を癒した結果として民衆から聖女と崇められたというのがそもそもの始まりだったんです。

 民衆からすれば自分たちの病を癒してくれさえすれば、素性が何であれ聖女ですから、至極当然の結果でしょう。

 3で登場するクァトの鈴は奇跡の触媒でありながら理力という魔術能力で本領を発揮するようになっているのは、元々魔女であったクァトの加護であるならば当然すぎるほど当然なわけです。

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 2のクァトの鈴についてはまた後述します。

封印者とカリムの関係

 さて、クァトが魔女だとして、彼女がなぜカリムで語り継がれるようになったのでしょうか?

 それは封印者の一族がカリム出身だとしたら?封印者の仮面をよく見てみましょう。

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 明らかに鴉のデザインですよね。そして鴉とはカリムの信仰するベルカの象徴なんですよ。
絵画世界でベルカを信仰する異形の怪物の名前は「ベルカの鴉人」と呼ばれています。

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 さらに仮面だけではなく服の文様にも注意してみましょう。

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 三日月と白い輪がありますよね。これはそれぞれ暗月と白教の証なんです。

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 カリムというのは特殊な信仰を持っているようで、暗月に深く関わるカリムのオズワルドは「白教」に関わる誓約を得ている状態で話すと特殊な会話が発生することから、双方ともに信仰されていることが分かっています。

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このセリフは「白教」時限定

 さて、この封印者の服を着たNPCの一人に小ロンドのイングヴァードさんがいます。
イングヴァードさんは闇の封印を解く鍵(ただの水栓があるところの扉の鍵)を渡してくれる以外にもう一つ重大な役割があります。

 それはみんなのトラウマである呪いを解いてくれる術を持っているということなんです!

 ……人間性と引き換えにね。

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 そういえば、もう一つ呪いを解く方法としてカリムで作られた解呪石というものがありましたよね‥‥材料はなんでしたっけ??

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 この封印者が監視している小ロンド遺跡で手に入るアイテムにはカリム騎士が持つという「パリングダガー」とカリム産の「呪い咬みの指輪」、更にカリムで信仰されたベルカによる「貴い犠牲の指輪」とカリム関連のアイテムに事欠かず、そしてそれ以外にはろくなものはありません

 3ではカリムから分かたれた亡者の国「ロンドール」があり、この遺跡の名前は小「ロンド」・・・

 小ロンドの奥底にはロンドールを導いた世界蛇カアスがいることから、元々はカリムの内国の一つであったと考えるのも考えすぎではないでしょうし、そうだとすれば、封印者がカリムの悉く繋がることも当たり前ですよね。

 封印者がカリム人だとしたら長年に渡ってダクソで大きな謎として語られていた、「封印者の最後の一人がなぜロートレクとともにいたのか」というものがなんとなくわかるじゃないですか。
なんてことない同郷の士だったんですよ。

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左端が封印者装備を身に着けた魔術師
しかし封印の任を外れた証なのか、仮面は既に捨て去っている

魔女クァトから聖女クァトまで

 さて、話をクァトに戻します。
封印の魔術師の弟子であった魔女クァトはその治癒の魔法を使い、人々を癒し続けました。そして救えなかった人々のために涙を流しそれが人々の心を打ったのでしょう。

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 そうなると噂が噂を呼びます。人々の病を癒すクァトという聖女がいると。

 本人が望もうと望むまいと結果としてクァトは聖女として祭り上げられることになります。が、同時にそれが不幸の始まりでもあったんです。
聖女となったクァトは奇跡の聖典にも触れることになった。問題はそれがカリムの奇跡であったというとです。
カリムの奇跡はグウィンらの白教を扱うと同時に闇に属するベルカの奇跡も扱うということ。

 3に登場するイリーナの例から分かるようにベルカの闇の奇跡は語る者の精神を蝕んでしまいます。闇に呑まれないためにはそれ相応の精神力が必要ということですね。

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ベルカを含む闇の奇跡をイリーナに語らせると狂ってしまう

 そしてクァトはイリーナと同じように心優しい女であったが、優しいだけの女でした……クァトは闇に飲まれて蝕まれてしまった……。

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最もカリムらしい聖女は心が弱い

深みの聖堂の真実

 DS3に登場する深みの大聖堂は元々は白教の聖堂だったと語られています。

 では、ここがどこがベースになっているかというと、まずカリムが語られる白教の指輪イリーナの身に付ける聖女装備はここで見つかります
ちなみに3周目だとみんなのアイドルであるロートレクの寵愛の指輪もここで見つかります。

 そしてそもそもイリーナの装備する聖女装備は元はソルロンドの聖女装備であり、ソルロンドの名前は3ではなくなっていることから、ソルロンドはカリムに吸収された可能性が高いと思われます。

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左がDS1で右がDS3のもの
ちなみに説明文も全く同じ

 そしてソルロンドの奇跡であった「助言求め」もここで見つかるなど、カリムに影響下を色濃く反映しているのです。

 とはいえ、ここには他にも様々な装備や魔法があるからそれだけでは決定打にはなりませんが、この聖堂にはもっと決定的なものがありますよね。
それはもうずばりそのままの泣いている女神像。もうこれそのまんま涙の女神ですね。

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 本来は、この聖堂は泣いている女神像を信仰していたんです。
  しかし、いつしか教主たちは深みに飲まれてしまいました。

 だから、この女神像は信者たちから隠されてしまったんです。
その証拠に小教会の女神像は教主の像で見えないようにされ、それ以外の場所では赤い布で覆われてしまっているんです。

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小教会の正面には教主の祭壇で祀られているが、裏には泣く女神像が隠されている

 ボス部屋手前の女神像は隠されていませんが、そこには普通に信者は入ってこれない場所ですから、もう隠す必要がないってことでしょう。

 この辺に関しては熊髭猫さんが詳しく解説してくれています。

 さて、この女神像以外にもう一つこの女神像には重要なものが存在しています。

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 この女神像は泣きながら背中から何かが生まれそうになってるいます
これはロンドールの巡礼者の姿なんですね。

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 なぜ巡礼者はこのような姿になってるのか?
彼らは背中から人間性の闇が溢れそうになっているからです。

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聖職者は人間性が溢れ出ることを防ぐため背中に「蓋」をしている

 そう、これこそがクァトが闇の奇跡に触れた結果、人間性の闇に侵されてしまったことを証明しているものなんですよ。

 まず先持って書きますが、ここでは深みは深淵であり人間性の闇という立場を取っています。
深みの主教たちもエルドリッチもそのエルドリッチから生まれた眷属も、みな深淵属性持ちですから。

 さて、そもそも深みの聖堂がなんのために建設されたのかというと、元々は深みを封印するためなんです。
つまり、この聖堂はクァトから溢れ出た深淵を隠すための場所だったわけですね。

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深みの主教は深みの封印者であった

 大主教の部屋では、人間性が溢れた像は封印されとるから、本来はここで深みを封印する儀式を行っていたんでしょうね。
しかしそれには何の意味のなく主教たちはおぞみに飲まれてしまいました。

 だから、表向きに出していた泣く女神像を隠し、今度は逆に人間性に蝕まれた女神像が表に出ることになったわけです。

 DS2のクァトの鈴は奇跡の触媒でありながら闇術専用になっていす。これは闇に溢れたクァトを表しているわけです。

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クァトの最後

 物語によって語られる通りクァトはもはや死んでいる女神です。
ベルカの奇跡に触れた結果、人間性の闇に蝕まれ苦しまれ……そしてどうなったか?
私は恐らく、この時クァトはベルカの神性をその身に下ろしてしまい、一体化して破滅したと思っていますが、この件に関して詳しく書くと更にとんでもなく長くなるのでまた別の記事で書かせていただきます。
だけどもし苦しむままに死に切れなかったら?誰かに介錯をしてもらったんかもしれないですね・・・
そういえば闇に蝕まれ、火防女になれなかったイリーナにモーンの手甲を装備して触れると特殊会話が発生するんですよ
そう、”約束”を果たして欲しいと・・・

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闇落ちイリーナとの特殊条件会話

 クァトは一部では人を絶望の運命に導く悪神とされていると言われていますが、その時のモーンの「絶望」はどれほどのものだったのでしょうか・・・

 だけど今際の際に少しでも話しができたことを信じてますよ・・・

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 クァトは人間性の闇に塗れて死んでしまいましたが、聖女として崇められた彼女が闇に狂ったことを民衆に知られてしまうわけにはいきません。
だから逆に女神として神格化して聖堂を立て、表向きは涙の女神として崇めつつ、裏ではその深みが溢れぬように主教たちが封印していたのです。

モーンの正体について

 さて、基本的にはクァトの物語について書きましたが、ここからはその従者であったモーンとは一体何者だったのか?ということについて考察していきます。

 まず、一番支持者が多いのはモーンはデーモンだったという説でしょう。
モーンの大槌はデーモンの大槌と非常によく似ていますし、モーンの兜はガーゴイルそのままです。

 魔女であるクァトがデーモンを使役しといても不思議ではない
この説に関しては髭熊猫さんが詳しく解説してくれていますので、これ以上は解説しません。是非そっちで確認してください。

 さて、ここまで標準語で堅苦しく行かせてもーたけど、ちょっとしんどくなってきたからエセ関西弁で行かせてもらうでww
わいガチ関西人やから許したってーなwww

 このモーン=デーモン説。めちゃくちゃ説得力あるやんけ! 
でもやで。でもやな。わいはどうしてもモーンがデーモンやとは思われへんねん。わいはモーンは人間やと思っとる。
そのことについて説明させてや。

 まず、カリムはあくまでも白教の国やっちゅうことやな。白教っちゅうたらあれやで。

 火防女アナスタシアに対して役目から逃げ出さないように足の腱を切って牢屋に閉じ込めた挙げ句、汚れた舌で神の名を呼ばないように舌を引っこ抜いたり、高位の聖職者は敬虔な加護により信仰心がなくても強力な魔法が使えるように調整したり、不死人になった人間を体よく追い払うために「使命だ」っちゅーて永久追放するっちゅう、なんちゅーかとっても神に敬虔な宗教なわけや。

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敬虔な白教の一例

 そんな白教の国がやで。いくら民衆の支持があるちゅうたかて魔女とデーモンを受け入れるか?っちゅう疑問があるわけや。普通に火炙りやろ。
ましてやクァトが生きとるときは聖女の名声ってことで庇護に置かれても、その死後に大司教の使徒になりえるか?普通に成敗やろ。みんなの信頼の置ける安心安全の白教やで?

 だから、わいはモーンは人間やと思うねん。デーモンと見間違えられるほど醜い人間やったんや。なんでそこまで醜かったかって?毒にやられたからや。そう、モーンは眠り竜シンの毒に侵されて滅んだ国サルヴァの極稀な生き残りの一人やったんや。

 3に登場する惜別の涙は、カリムの使徒モーンが伝えたことになっとるが、2ではサルヴァの奇跡なんや。
全く接点のないカリムとサルヴァは唯一モーンという存在だけが繋がるキーとなっとるんや。

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 モーンはシンの目覚めの毒に侵されてもうた。
しかもシンの毒はただの毒やないんやで。実はあいつの体は酸にも侵されてるねん。
シンを攻撃した武器は通常の3倍の速さで耐久度が削られるんや(シャア専用ちゃうで)。知っとった?

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シンへの攻撃は武器耐久度が3倍削られる

 酸と毒を受けた人間の身体がどうなるかなんて、想像つくわな。
醜く変貌したモーンは誰からも忌み嫌われ手を差し伸べへんかった。唯一彼に手を差し伸べたのが、魔女クァトやったんや。
なんでクァトは醜いモーンに手を差し伸べたのか?心優しいから?癒やし手の義務やから?もちろんそれもあるやろうけど、もう一つ大きな理由があるんや。

・・・盲目やったんや!!!

 盲目のクァトにはモーンの醜さなんか関係ないんや。見えへんねんから当たり前やがな。クァトにとってはモーンは他と何一つ変わらん人間やったんや。

 例え同情する人間がいたとしても、その奥には必ず憐憫の情が見えてまう。同情と侮蔑に塗れたモーンにとってクァトは唯一の癒しやったんや。
クァトの治療により毒から癒やされたが、一度歪んだモーンの醜さは治らんかった。だけど今更治らんかてそんなことはなんの意味ないやろ。クァトには見えへんことやねんから。
この時、モーンは一生涯をクァトに捧げることを誓ったんや。

 3では白教では盲目の聖職者が尊ばれることになっとる。なんでや?唐突すぎるやんけ。尊ばれるには尊ばれる理由があるはずなんや。
そう、白教で語り継がれるクァトが盲目やったとしたら、当然盲人の信仰者が尊ばれるのも納得やんけ。

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カリムでは盲人が尊ばれている

 モーンが人間やとしたら、これら数々の疑問が全て納得行くと思わへんか?これがわいのモーン=人間説や。

次回予告

 さてクァトの死後にモーンは大司教の使徒になる。
そして彼はカリムの宗教改革を行うことになる。これがカリムとロンドールの決別の刃になるんや。
旧カリムと新カリム。そしてロンドールが分かたれた理由とは・・・!次回お楽しみやでwwwwほんまwwww

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