FF7の話になると「クラウドってクールでかっこいい!」って話が出るたびに、「いやクラウドは根暗でメンタルやばい弱虫だよ」って言いたくて、クラウドの歴史を頑張ってまとめたから読んで!
僕の愛が強すぎて異様に長くなったので枝にも続くよ!ネタバレしてるのと、個人的な解釈も入ってるので注意
今回の記事はFF7本編、クライシスコアFF7及びFF7アドベントチルドレンの大きなネタバレが含まれています。
また記事内容に、FF7リメイクの要素は考慮されていません。
少年時代
ごく普通の家庭で育ったクラウドは生まれつき根暗な上に引っ込み思案で友達が全くできなかった。
そのため、「あいつらはくだらないことで笑ってる子ども っぽい奴らだ(子どもなんだが・・・)。」「俺はあいつらとは違う」と強がりを言っていたが、本当は仲間にいれてもらいたかったので、村の仲良しグループの後ろをうろちょろしていたが、勿論仲間にしてもらえるはずなどなかった。
ティファ 「だって、子供だったんだもん」
正論・・・!圧倒的正論・・・!!
ティファさん・・・正しさは時として人を傷つけるんですよ・・・。
このとき村一番の人気娘だったティファに対して恋心のようなものを抱くが相手にされていなかった。
っていうか、話もろくにしたことのないヒッキーなど、存在自体ほとんど認識されていなかった。
ティファがニブル山に行くとき、クラウドはティファをストーカー・・・もとい心配してつけていくが、そこで事故が起こり、ティファが重傷を負ってしまう。
クラウドに事故の責任はないのだが、近くにいたのに助けられなかったことと、ティファパパになじられたことにより、ティファに対して自責の念を負うことになるが、そもそもティファはクラウドがストーカ・・・もとい、付いてきていたことに気がついていなかったので、なんとも思われてないよ、よかったね!
この件で根暗が更に酷くなったクラウドは、当然の様に厨二病が発症。 雑誌や新聞でかっこよく活躍するソルジャーに憧れる。
ソルジャーというのは、FF7の世界においては勇者とか英雄とかそういうニュアンスである。
「村一番の娘っ子(ティファ)だって、俺が世界の英雄になれば振り向いてくれる!」と、いきなりとんでもなくスケールの大きい妄そ・・・夢を掲げるという厨二病をこじらせたクラウド君。
まるで引きこもりの5ちゃんオタが「俺はビルゲイツになる!」と宣言するような痛ましさである。
もう少し、現実的な目標から始めるべきだったんじゃないかな・・・。
ともかく、重度の厨二病患者であるクラウド君は、星の瞬く夜にティファを呼び出し、「俺はこの村を出てソルジャ ーになるんだ!」と宣言し、村を出て行く。
このとき彼は「ロマンチックな場所で村一番の娘に英雄なると宣言して華麗に旅立つ俺ってカッコいい!」と有頂天であったが、前述のとおり二人にはほとんど接点がなかったので当のティファには、「私たち別に親しいわけでもないのに、いきなり呼び出されてビックリ!」と思われていたことが後日判明。泣ける。
もっとも、ティファはティファで実は「ヒーローに助けてもらうヒロイン」に憧れるお姫様願望を抱いていたため「なんだかよくわかんないけど、ヒロインっぽいセリフ言っとこ」と、空気を読んでクラウドを応援してくれたのであった。
クラウドさんよかったね!
FF7CC時代(神羅兵時代)
厨二病まっさかりのクラウドくん(14歳)は憧れのソルジャーになるべく新羅カンパニーに所属するも、当時の彼は引きこもり特有の全能感に溢れてるだけのただの村人Aにすぎないわけで、ソルジャーどころか一般兵から全く昇任できず、こんなはずじゃなかったと、うだつのあがらない日々を送っていた。
圧倒的にリアリティ感あってやべえ・・・現実つらい・・・。
このとき、クラウドと違って有言実行のイケメンザックスと知り合い仲良くなるも、ザックスのガチで有能なイケメンっぷりに劣等感を募らすばかりであった。
FF7CC内では、登場早々飛行機に酔ってげろげろになったり、理系研究職の人間に力負けしたりとの目覚ましい活躍が見れる。
誰もが納得の下級兵っぷりだね・・・!
ところがそんなクラウドくんにも大チャンスが巡ってきた。
たまたま確保対象の科学者が自分のところに逃げてきたのをナイスキャッチできたのだ。
ここからが!クラウドさんの黄金伝説の始まりやでぇ!!
親友でイケメンのザックスもニコニコで褒めてくれます。
か~ら~の~、「グハァ!」と地面に叩き付けられるクラウドさん
グハァて・・・。
大金星のはずが、兵士なのに科学者に力負けする無様っぷりにはさすがにフォローできねえよ・・・。
クラウドがそんな暗い日々を送る中で更にトドメを刺す出来事が起こった。
なんと任務で故郷のニブルヘイム村に行くことになったのだ。
ソルジャーになると堂々と宣言したものの、実態は最下級兵()。
ましてや、憧れのティファがいるところに下っ端ーズAとして参加しなければならなくなってしまったのだ。
さすがに超恥ずかしいというのは自分でもわかっていたの で、ずっとマスクで顔を隠してコソコソすることにした。
小物・・・!圧倒的小物・・・!!
このとき、空気を読まないイケメンサックスに「故郷なのにどうしてマスクしてんだ?」と至極当たり前の事をいわれるが、当のクラウドくんは恥ずかしさのあまりそれどころではなかった。
ちなみに、このときのマスクで顔を隠していたことが、 後々のクラウド精神崩壊事件の伏線になっているので覚えておきましょう。
そしてザックスたちとともに任務でニブル山に赴くが、もろもろの事件が発生し、セフィロスが暴走してしまう。
ザックスは瀕死になりクラウドも腹を正宗で貫かれるが、 火事場のクソカを発揮し、なんとセフィロスを返り討ちにしてしまう。
思えばこのときがクラウド君の人生で初めての大活躍であった。
しかし、代償としてクラウドはザックスとともに瀕死となり、なす術もなく神羅カンパニーに捕らえられてしまう。
そして宝条にセフィロスコピーの実験体として扱われることになった。
ソルジャーとは、人間の肉体に宇宙生命体ジェノバの細胞を組み込み、それに魔晄を浴びせることで誕生する。
それが人間であれば強靭な肉体を得られるが、動物であればモンスターと化してしまう。
そして、セフィロスは胎児の時にこの非道な実験を行われていたのだ。
そして、宝条によりジェノバ細胞を埋め込まれ、魔晄の力を浴びたクラウドは貧弱な兵士からセフィロスと同等の力を………得れるわけないじゃないですかっ(‘-‘)
ジェノバ細胞を埋め込まれると、適性(精神力)があるものはソルジャーに。適性がないものは自我を侵食されセフィロス・コピーと呼ばれる操り人形になり、さらに適性が低いものは廃人と化してしまうのである。
そして、もちろん我らが豆腐メンタルのクラウドさんは一般人以下の適正だったため操り人形にすらなれず、動けない話せないという完全なる廃人と化してしまいましたとさ
それから5年が経過。
5年が経過してもクラウドは廃人状態のままであった。
また、ミッドガルドへの逃走中、夢現のクラウドに「なんでも屋をやろう」と言ったことが、後々に「なんでも屋クラウド」の動機になっている。
クラウドが廃人になっている間、ザックスは色々頑張ってクラウドを庇いつつ新羅カンパニーから逃げ出すが、最後には捕まり死ぬのであった。
目の前でザックスが死にゆく。
そのショックで目が覚めたクラウドは、ザックスから最後の言葉を受け取った。
ザックスのバスターソードは、元々は彼の相棒であったアンジールというソルジャーから受け継いだものであった。
そして、アンジールは常々ザックスに対して「ソルジャーであるならば夢や誇りを持つように」とザックスを諭していた。
アンジール「夢を持て」
ザックス「あ?」
アンジール「英雄になりたければ夢を持つんだ そして誇りも」
ザックスはクラウドがソルジャーを目指していることを知っていた。
自分の死は最早避けられない。ならばと、クラウドに自分の全てを託したのだ。
が、もちろんヘタレクラウドに男の約束など守れるはずもなく、後々目の前でエアリスが殺されるのはFF7をプレイした人には周知の事実である。
ザックス君託す相手を間違えちゃったね・・・!
FF7本編時代
ゲーム開始時はクラウド視点から始まるので巧妙に隠されていたが、実は開始時も魔晄中毒から脱し切れておらず、 スタボロの廃人状態のままで住民からは「こいつはもうダメだ・・・」と言われ、犬に同情される始末であった。
そこに偶然ティファが通りがかることで、なんと奇跡が起きた。
最初に書いたとおり、クラウドの全ての行動原理の根本はティファにある。ティファに認めてもらたいという気持ちだけでこれまでやってきた。
「好きな子にかっこ悪い姿を見せたくない!」という一心により自我を取り戻したのだ。
しかし、問題は自我を取り戻しただけでは自分が一般兵Aに過ぎなかったことがバレてしまう。
そこで憧れのザックスの活躍と最期の約束である「俺の全部をやる」をなんかちょっとそれ違うんじゃない?って言いたくなる変な形で取り込んでしまった。
ジェノバ細胞の持つ擬態を得意とする性質の影響とこれらの精神状態が相混ざった結果、ザックスの活躍をクラウド様が大活躍したものだと記憶をすり替えて、「俺は元ソルジャーだった」とティファに宣言する。
そう、この時クラウド本人は本気で、「俺は超カッコいい元ソルジャー様だ」と思い込んでいたのである
もちろん、実際は(ry
ちなみにこの偽りの記憶は突発的に発生したものなので、かなりのアラがあった。
しょせんは他人の経歴であり、それをそのまま自分に適応させるなど無理がある。
おまけに直前までにあうあうあーのヤク中状態だったくせに、ティファに気がついた瞬間いきなりキリッとした顔付きになってクールに「俺はクラウド」とか言い出すわけだから既にこの時点でかなりヤバいやつである。
実際にゲームで見ると、このときのクラウドの動きはまさに狂人って感じで相当やばい。
始まりがそれなので、当のティファには最初から胡散臭いと思われていた。
クラウドの脳内では「最強のソルジャーだったクラウド様が幼馴染の危機を救う」ということになっていたがティファには「明らかにやべえからほっとけない。なんとかしてあげなきゃ」と思われており、ソルジャーとしてのクラウド様のかっこいい活躍(実際はザックスの活躍)をキリッと語るたびに 「え、それちゃうやろ」と心の中でつっこまれてたことが後ほど判明する。ほんとクラウド君って子は・・・!
……ちょっと変だな。 クラウドの話してること。 少しずつ変だなと思ったの
知ってるはずのこと知らなかったり、知らないはずのこと知ってたり…….
私はいろいろ確かめたかった
でも、聞いたら…クラウド どこか遠くへ 言ってしまいそうで
それは…いやだった
……どうしたらいいかわからなかった。 時間が必要だって思ったの
だから、クラウドに、 アバランチの仕事をしょうかいした。 そばにいて、よく見ていたかったの
クラウドがわけわからんことばっかり言うので戸惑うティファちゃん。なのに見守ってくれるとか、やはりメインヒロイン……!
またクラウドに対して「こいつなんかおかしくね?」と思っていたのはティファだけではなく、
「カッコつけてるかと思えば間の抜けたこともする やたら物知りなヤツだと思えばあたりまえのことも知らない 動き方も話し方もなんかチグハグなんだよな今にし て思えばああ、なるほどってやつだけどよ」
とはパーティーメンバーのシドの弁。
過去を知るティファだけではなく、全く事情を知らない人間にも変人と思われていたんだから、かなり不自然だったんだろうね・・・。
ゲーム本編では、ニブルヘイムでの事件によりジェノバ細胞を埋め込まれ、数々の奇跡から復活できたことにより身体能力が飛躍的にアップ。目覚ましい活躍を見せる。クラウド君の人生で最高に輝いていた瞬間であった。
しかし肉体は強靭になっても、メンタルは豆腐のまま。
偽りの記憶に整合性を持たせるためにザックスの名前を聞いても思い出せないぐらい記憶に蓋をするような軟弱な精神はいかんともし難いものだった。
だが、各地に現れるセフィロスの幻影に記憶の矛盾を突き付けられ続け、その結果として、自分自身を誤魔化しきれなくなってしまった。
そこにお前は本物のクラウドではないと吹き込まれ、敵側に取り込まれてしまう。
この辺りの流れは実際にゲームをしていたプレイヤーとしても相当な衝撃であった。
狂った人間が自分を狂っていると認識できないように、それまでプレイヤーは、クラウドをクールでカッコよくて、 ニヒルであるけど、でも仲間思いで……本気でそう信じてきた。 しかし、今まで自分が主人公として動かしてきたクラウド の言動……行動……その全てが捏造で偽りだったのである。
セフィロスはあらゆる「事実」を突き付けて、クラウドが偽物であると宣言する。
その根拠として、「クラウドはソルジャーなのに、自分にはソルジャーになったときの記憶がない」 「クラウドは自分が任務でニブルヘイムに行ったと思っていたのに、ニブルヘイムにその痕跡がなかった」 の二点である。
そして、元々クラウドの記憶に不信感があったティファもクラウドの精神を支えきることができなかった。
そしてクラウドは記憶の混濁が進んだ結果、自分自身すら信じられなくなり、偽物として消えようとする。
クラウドの記憶ではソルジャーとしてセフィロスとともにニブルヘイムで任務で着任していた。しかし、セフィロスとともにニブルヘイムに赴いていたソルジャーとはザックスのことだった・・・。
このためにクラウドは、自分が偽者で本当のクラウドが別にいると信じ込んでしまうが、実際はクラウドはクラウド なのであった。
何故ならば、「そもそもクラウドはソルジャーではないのだから、ソルジャーになった記憶がないのは当然である」「実際にクラウドはニブルヘイムにきている。ティファがクラウドがこなかったと思っているのは、クラウドが恥ずかしさから自分の正体を隠していたから」 である。
かつてのクラウド自身の回想では、彼は乗り物酔いをした一般兵を気遣う姿があった。
しかし、これは偽りの記憶・・・。
一般兵を気遣うソルジャーはザックスであり、気遣われる一般兵こそがクラウド。
そう、このソルジャーに付き従ってきた、ただの一般兵が真実のクラウドの姿だった。
自分が特別な存在じゃない、ただの凡人にすぎない。 だけど、確かにそこいる。そのことに気づけたことでクラウドは自分を取り戻せた。
まあ、そんな感じで紆余曲折の後、結局クラウドは自分が単なるダメな弱い人間であることを認め、その上で仲間とともに成長していくんだ的なまとめ方をし、セフィロスを 倒して世界を救うのであった。めでたし、めでたし。
と思わせておいて、クラウド君の真性へタレっぷりはこん なものではないのであった。
FF7AC時代
セフィロス事件から二年後。そこには世界を救い仲間に囲まれ自信に満ち溢れたクラウドの姿が……なかった。
厨二病を卒業したものの、新たに高二病を発症したクラウド君は毎日過去を引きずってズルズルズルズルと過去の仲間とも連絡を取らず、陰鬱な日々を送っていたのだった。
その理由はザックスとエアリスである。
自分をよくしてくれたザックスを目の前で殺され、守ってくれと託されたエアリスは目の前で殺され「あれ?結局俺って誰も守れてなくね?」ということに気がついてしまったのである。
その上、不治の病とされている星痕症候群に侵されたのもクラウドの根暗を悪化させてしまった。
星痕症候群に侵されたのはクラウドだけではなく、孤児のデンゼル(9歳)も同様だが、自分の境遇にめげず頑張っている。だから、一緒に頑張ろうとティファに励まさせるが、クラウド(23歳)はウジウジしっぱなしである。
挙げ句の果てに「すぎたことをズルズルズルズル。いつまで引きずってるの!」と説教を受けるのであった。
9歳児と比較され、それでも逃げようとするクラウド君(23歳)にティファが逃げないで!と叫ぶ。
確かにみんなに対して何もできないかもしれない。重いかもしれないけれど、実際に重いんだから仕方ないじゃない。と更なる説教を受けるのであった。
携帯依存症であることもバラされ、痛々しい様を見せるクラウド君。というか、ティファさんもなかなかキッツイですよね……. っていうかクラウド君幼少のときから全く成長していなかった。
まあ、それでもかつての仲間が集ったり、白昼夢に出てきたザックスやエアリスが助けられなかったのを許してくれたので、復活したセフィロスを倒してめでたしめでたし。
総評
FF7はクラウドに限らず「弱い人間たちの物語」であった。
製作者からして「あまり根が明るい性格ではない、という点に気を配ります」と言われてしまうネクラ確定のクラウドを後から知って「こんなに残念な性格だと思わなかった」とか言う人もいるけど、何の特別な力も持たず生まれ、本当はすごく弱い人間で、何度も同じ間違いを犯して、それでも立ち上がるのがクラウドの魅力なんだから、そこがいいと思うんだけどなー。 最初から完璧な人間よりずっと好きだよ。
マジでこれ。