この記事は、資料を基に行った考察を個人的に物語として創作したものになります。
何千年も氷雪に覆われた極寒の地ドラゴンスパイン————
この山脈の雪は決して溶けることなく人間の往来を容赦なく拒絶する。
冒険者協会の依頼によりこの地を調査していた旅人とパイモンは、雪に埋もれた日誌を発見した。
そこには氷に封印された殺人事件の告発が残されていた。
旅人とアルベドは、時を超えた謎を解き明かすことができるのか。
パイモン「なあ、空。この本って何だ?」
旅人とパイモンは冒険者協会に依頼され極寒の地ドラゴンスパインの調査を行っていた。
雪に包まれたこの地を調査できるのは、旅人のような極わずかの優秀な冒険者に限られていた。
その最中、旅人とパイモンは雪に埋もれた宝箱の中に奇妙な日誌が含まれているのを発見した。

旅人がその日誌を読んでみると、どうやらこれは過去にこの山の調査をしていた人物が残したもののようであった。

パイモン「なあ、こういう歴史記録に興味がある人がどこかにいるかもな。そいつに聞いてみよう。」
パイモンにそう言われた旅人は雪山の麓にいる歴史学者スティーブンスのことを思い出した。
彼ならもしかしたらこの日誌のことが分かるかもしれないと思った旅人は、さっそく彼を訪れることにする。
▷ 麓に行き、スティーブンスに会う。
雪に埋もれた宝箱の中に隠された日誌。
そこに書き込まれた記述の意味は一体何なのだろうか‥‥。
麓にいるスティーブンスの元を訪れた旅人は、さっそく彼に日誌を渡した。
彼によると、遥か昔にモンドの貴族が考察隊を雪山に派遣したが、なぜかその詳細についての記録がないのだという。

この考察日誌がその考察隊の遺したものであるならば、大きな歴史的価値があるらしい。
彼によると日誌にチェックが入っている「南西部の遺跡の地下」と「日向の拠点」の2か所にも他の日誌があるかもしれないということだった。
報酬と引き換えに取ってきて欲しいと彼に依頼され、旅人は承諾することにした。
パイモン「うーん、でもオイラたちは雪山の場所とかには詳しくないよな……。誰か詳しい人はいないかな。」
▷ 今のこの雪山にいて、地理に詳しい人と言えば‥‥。
パイモン「そうだ!アルベドがいるじゃないか!あいつの研究室に行ってみようぜ」
▷ アルベドを探して、彼に協力を依頼する。
旅人とパイモンはアルベドを探して協力を依頼することにした。
彼はきっと山中の研究室にいるはずだ。
パイモンに促された旅人は、山中に作られたアルベドの研究室に赴いた。
いつも通り、アルベドはそこで錬金術の研究に勤しんでいたようだ。
旅人たちに気が付いたアルベドは、研究の手を止めて二人に向き合った。

アルベド「やあ、キミか。それにパイモン。どうしたんだい。」
▷ 実は‥‥。
旅人はアルベドに日誌の経緯を説明した‥‥
アルベド「なるほど……。それは大変興味深いね。その日誌をボクにも見せてもらえないかい?」
▷ いいよ。
アルベド「ありがとう。これは……ふむ……。なるほど。」
パイモン「どうなんだ、アルベド。」
アルベド「うん。これは恐らく1000年前に書かれたものだね。」
パイモン「1000年前!すごく古いじゃないか。どうしてわかるんだ?
アルベド「この日誌にはエバハートという名前が出てくるよね。この名前は『死闘の槍』という武器の記録にその名前が出てくる」
▷ 武器の記録?
アルベド「ああ、ボクたちが戦いに使っている武器や聖遺物。その装備品には作り手或いは使い手の歴史の記録が資料として残されているんだ。そして死闘の槍に残された記録にはこう書かれている」

アルベド「『死闘の槍』という武器はこのエバハートの従僕が使っていたものなんだ。この従僕は、剣闘士として主人のために戦い続けていたけれど、最後には灼熱の剣を持つ赤い髪の少女に敗れてしまったんだ。」
▷ 剣闘士‥赤い髪の少女‥‥。
アルベド「そう、モンドの闘技場は旧貴族たちの越権の象徴で奴隷たちを戦わせていた悪趣味な施設なんだ。そしてボクたちの所属している西風騎士団設立者であるヴァネッサ様は元々は炎の国出身の赤い髪を持つ少女だったんだけど、ローレンス家に奴隷とされ剣闘士として戦わされていた。それがちょうど1000年前のことなのさ。」

「原神セレベンツ・プロローグ 49Pより」
パイモン「なるほど、それで1000年前の話だってわかるのか。」
▷ ローレンス家ってエウルアの一族だったよね。
アルベド「ああ。モンドには三大貴族と呼ばれる血筋があった。ジン団長のグンヒルド家とディルックのラグヴィンド家。そして、エウルアのローレンス家だ。しかし、このうちローレンス家は1000年前に暴虐の限りを尽くしてモンドの人々を苦しめた。ローレンス政権が倒れても彼らへの不信は今でも民衆に根付いている。」

▷ そして西風騎士団が設立された。
アルベド「その通り。ボクたち西風騎士団はヴァネッサ様の精神を受け継ぎ、モンドの人々を守る義務と責務を背負っているんだ。」

▷ 他に分かることはある?
アルベド「このランドリッヒやエンゲルベルトという名前には心当たりがない。スティーブンスが言うには、他にもまだ日誌があるらしいね。とりあえずそちらに向かってみようか」
▷ 「南西部の遺跡の地下」に行ってみる
アルベドに促され、旅人たちはドラゴンスパインの南西部に向かった。
そこは地下が氷で埋め尽くされた遺跡であった。
パイモン「ここが南西部の遺跡か‥‥でも氷で埋まっているぞ。」

アルベド「周りに仙霊と封印された装置があるね。それを解除すれば位置が開けるかもしれない。」
君は仙霊を誘導して装置を解除した‥‥。
二つの装置を解除すると、次に遺跡重機が封印から目覚めて旅人たちに襲い掛かる。
どうやらこれがこの遺跡の最後の試練のようだ。

遺跡重機を倒した旅人たちは、奥に隠されていた宝箱から日誌を見つける。
どうやらここが目当ての場所に間違いないようだ。

さっそく旅人たちは2冊目の日誌の内容を確認した。

パイモン「うーん、長いぞこれ‥‥。アルベド!要約してくれよ」
▷ パイモン、頑張って読もうよ。
アルベド「チェックが入っている密室の円型大扉というのは、キミたちが1冊目の日誌を手に入れた場所のことだね。」

アルベド「あの先にある扉には古代の壁画や星銀の武器が隠されていたけれど、考察隊は開くことができなかった。しかもそこで崩落が起きてニックという仲間と補給物資を失ってしまったようだ。」
パイモン「崩落!そんなに危険な場所だったのか」
アルベド「だけど、エバハートは仲間を鼓舞してこの場所にやってきた。この日誌を書いた人物は、成果をあげてランドリッヒの期待に応えないと闘技場に放り込まれる立場にあったということだね。」
▷ そしてエバハートはそのランドリッヒの隠し子だった。
アルベド「ああ。そしてボクの予測では、このことが考察隊に大きな影響を与えているとみている。3冊目を探しに行こう」
▷ 「日向の拠点」に向かう
2冊目を首尾よく手に入れた旅人たちは、3冊目を入手するために「日向の拠点」に向かった。
入口が氷で封印されているほかは、然したる障害もなく拠点に入り日誌を手に入れることができた‥‥。

パイモン「これがオイラたちの探してた日誌だな。早く見てみようぜ。」

パイモン「うわ!なんだこれ!なんだか怖そうなことが書いてあるぞ‥‥。アルベド、要約してくれ~」
▷ いきなり雰囲気が変わったね。
アルベド「ああ、どうやらこのエバハートという人物は、雪山の秘密を餌にして仲間たちを皆殺しにする計画を立てていたようだね。しかも長槍を使って」
パイモン「長槍って普通の武器だろ。それがどうかしたのか?」
アルベド「当時の貴族にとって、武器とは剣のことであって槍は下賤の者が使う武器だったんだ。日誌の方にも『長槍という貴族らしくない武器』という記述があるよね」
▷ わざわざ、貴族に相応しくない武器を使った?
アルベド「そういうことになる。そして、彼は『西風長槍』と『旧貴族猟槍』の使い手だったんだ」

パイモン「うわ!こっちも怖いことばかり書いている」
アルベド「エバハートはある目的のために、自分が一族の跡継ぎになろうと目論んだ。そして兄であるパルジファルの名を貶めさせると同時に、他の跡継ぎ候補者を殺害したんだろうね」
パイモン「パルジファルがはまってた『強盗ごっこ』ってなんなんだ?強盗なんてごっこでするものじゃないと思うけど‥‥。」
アルベド「どうもパルジファルはいわゆる『義賊』だったらしい。裕福なものから金品を盗み、下々の者に配るという行為をしていたようだ」

パイモン「パルジファルは当時の貴族の腐敗に嫌気がさしていたんだな」
アルベド「そのようだね。そこをエバハートにつかれて義賊——強盗ごっこにはまってしまった。」
▷ 旧貴族の猟槍にもエバハートのことが?
アルベド「ああ、こちらにはエバハートの名前はないが、内容は彼のことを指している。彼しか槍を使う貴族はおらず、私生児であった彼は血を流して家族に認めさせる必要があったんだろう。」

パイモン「貴族らしくない武器を使って貴族たちを殺害‥‥」
▷ 執念を感じる。
アルベド「今回の依頼はスティーブンスにされたんだったね。一度麓に戻ろうか」
パイモン「そうしようぜ、空」
▷ 麓に戻りスティーブンスに日誌を見せる。
旅人たちは麓に戻り、スティーブンスを訪ねた‥‥
スティーブンス「お帰りなさい、旅人。日誌の方はどうなりましたか?」
パイモン「残りの2冊も見つけたぞ!」
スティーブンス「おお、素晴らしい!!!それでは読ませてください。‥‥‥なるほど、これで考察隊の記録がほとんど理由が分かりました。彼らは帰還できなかったからなんですね」

パイモン「でもエバハートは、逃げ帰ったんじゃないのか?」
スティーブンス「確かにその可能性はあります。しかし、彼がモンドに帰ったという記録は残っていないんですよ」
▷ 死んでしまったのかも?
パイモン「日記だと重傷を負ったって書いてるもんな‥‥。帰った記録がないならそうなんじゃないのか?」
アルベド「ねえ、雪山にはまだこれ以外にも記録が残っているかもしれない。少し調べてみないかい?」
▷ 分かった。
アルベド「ありがとう。まずは冒険者者たちが拠点としていたテントを探してみよう」
▷ 雪山を捜索する
旅人たちは、雪山を捜索した‥‥
すると、テントの一つからある日誌を見つけた‥‥

パイモン「これは冒険者の日誌?」
アルベド「そのようだね。少しそれを読ませてくれないか」
アルベドは旅人から手渡された日誌を読み始めたが、途中で手を止め何かを考え込むような仕草を始めた。
▷ アルベド、何がわかったの?
アルベド「ああ、この日誌はロアルドという冒険者が書いたものなんだ。ドラゴンスパイン全体のことも書かれているが、ボクが気になったのは大昔にこの山で謀殺が起きたのではないかという記述があることだよ」
少し経ってから、山頂に向けて進んだ。途中で年代物の遺物があって、まるでモンドがまだ貴族時代だった頃に遡ったかのようだった。それと、衣服の切れ端とボロボロの武器を発掘した。厚い氷雪が腐食を遅らせ、形を保っていたみたいだ。
遺物の分布状況から、ここは昔追逐か謀殺が起きたと推定できる。
———冒険者ロアルドの日誌9巻
▷ これってもしかして……。
パイモン「エバハートたちのことなのかもしれないな」
アルベド「可能性はある。ここから山頂に向かってみよう」
旅人とアルベドは、日誌の記述に従い山頂に向かうと、古い遺跡の跡を見つけることができた
パイモン「本当に古い遺跡があったぞ。装置を起動したら下に降りれそうだな。うわ!なんかいるぞ!!」
パイモンが指を指す先には、遺跡を守る保護装置が立ち塞がる。

▷ 保護装置を倒して、遺跡の謎を解く。
旅人は、アルベドと協力して保護装置を倒し、機構を解除した‥‥

遺跡を降りた先には壊れた檻が散乱しており、よく観察すると檻には血痕が付着している……

アルベド「ロアルドの日誌の記載どおり、ここで何かの事件が起きたのは間違いなさそうだ。ここをもう少し調べてみよう」
旅人は、その言葉に従い周囲を捜索すると、檻の中に古びた手帳が落ちているのを発見した。

パイモン「その手帳だいぶ古そうだな……。中身を確認してみよう。」
「彼に切られたのは私が油断していたからだ。そして、流石は選ばれた者だな…血の中で燃え盛る元素の力を感じるよ」
「次は計画通り水路に沿って北へ向かおう。何としてでも、前に物資を隠した場所に辿り着いてやる。」
———古びた手帳
アルベド「ふむ。これはとても興味深い内容だ」
パイモン「なんか……不穏な中身じゃないか?オイラなんだか怖いぞ……」
▷ この手帳の持ち主って‥‥。
アルベド「ボクも仮説はあるが、まだ断言するには至らない。これにはまだ続きがあるようだ。燃え盛る元素の力を感じるということは手帳の持ち主は神の目の所有者に切られたということだろう。元素視覚を使えば痕跡が分かるかもしれない」
そうアルベドに促されて、あなたは元素痕跡を追うことにした。

アルベド「やはり手帳の記載どおり北に向かってるね。向かってみよう」
旅人が元素の痕跡を辿り遺跡の地下を抜けると、更に山頂を指し示している。
その先にはキャンプの痕跡と、また別の手帳が残されていた。

「吹雪が去った。これはいい予兆かも知れない」
「ついにエンゲルベルトをやったぞ。ルースに止めを刺せなかったが、あの傷なら長くはないだろう」
「次は海に面した東のふもとに向かおう。そこに辿り着けば、まだ生き延びるチャンスがある…
———古びた手帳
アルベド「3冊の考察日誌と合わせて考えると、これはエバハートが書いたものに間違いないようだね。この途中でエンゲルベルトを殺害したんだろう。恐らく最初の手帳の場所で、考察日誌の作者であるルースに瀕死の重傷を負わせたんだ。」
パイモン「これによると、エバハートは東に向かったようだな」
アルベド「ああ。早速、そちらに向かってみよう」

東に通じる痕跡を辿ると、そこには先の記述通りに手帳が置かれていた。
旅人がそれを調べると、宝箱とともにアチーブメント「不忠に帰郷」を入手できる。

旅人は、早速手帳の内容を確認してみることにした。
「幸いなことに、船と物資は無事だ」
「約束通り、話がモンドに伝われば、プリシラが望風海角で警告ののろしを上げてくれるはずだ」
「全てが上手くいくことを願う。成功すれば力を手に入れられ、現状を変えられるんだ…」
———古びた手帳
パイモン「エバハートは生き残っていたのか!」
▷ でも彼が帰った記録はない。
パイモン「ああ、そうか。じゃあやっぱり亡くなっちゃったのかな。重傷を負っていたみたいだしな。」
二人のやりとりをアルベドは無言で聞いていた。
どうやら何かを深く考えこんでいるようだ。
パイモン「なあ、アルベド。結局、この事件ってどういう終わり方をしたんだ?中途半端なままだとオイラは納得いかないぞ‥‥。
アルベド「そうだね。彼の生死がどうなったのか。彼が何を求めて、このような計画を実行したのか。ボクが思うに、この話には記録に残っている文字だけではなく形も大事じゃないかと見ている」
▷ 形って?
パイモン「形?どういうことだ?」
アルベド「とりあえず、ボクの中で一つの仮説ができた。よかったら聞いてくれないかい?」
アルベドは、そう言うと二人に対して今回の事件のあらましを語り始めた。その内容とは――――
▷ この事件を推理する。
雪山で起きたドラゴンスパイン殺人事件。
その目的がエバハートの計画によるもので彼が実行犯なのは間違いないだろう。
情報は出揃ったようだが、それでもなお、その後の彼の生死や目的は曖昧なまま終わってしまった。
この答えに関してアルベドは何かの仮説があるのだと言う。
それは一体なんなのか?文字だけではなく形とはどういうことなのか。
旅人たち――今これを見ている「あなた」――に問われることは二つある。
①彼の生死は?
②彼の本当の目的は?
もちろん、これらの情報はある程度欠けていることは確かだろう。
しかしながら、これまでの情報を集約すれば朧気ながらも事件の全容と目的が浮かび上がってくるはずだ‥‥‥。
その答えとは何なのだろうか‥‥?
「解答編」に続く
