前回に引き続き、スターレイルの新たな舞台「ピノコニー」の記事です。
「世界設定編」では、「ファミリー」が統治する現在のピノコニーについて解説しましたが、この記事ではファミリーが訪れる前・・・スターピースカンパニーが統治していた監獄星だった時代の話です。


「ピノコニー」の歴史
現在のピノコニーはとても派手で明るい近未来風都市です。

しかし、この星には今の姿からは想像もできないような後ろ暗い過去があります。
この星は、かつては「存護」のスターピースカンパニーが囚人を送り込むために利用していた監獄星だったからです。

この星に送られた犯罪者は球体の作業室の中で、記憶の派閥「ガーデン オブ リコレクション」のために「追憶」を集める作業をしていました。

「ガーデンの追憶」とは、ヘルタの宇宙ステーション内で見つかる「記憶」を被膜で包み込み、持ち運びできるようにした泡のことです。

このことから、元々のピノコニーは犯罪者を労働力として送り込み、ガーデンへの輸出品を産出する流刑植民地のような扱いだったことが推測できます。
「ピノコニー(Penacony)」という名前の由来も英語の「流刑地(Penal colony)」からきているのでしょう。
人々は休みなく訪れる過酷な労働の中で、辛い現実から逃れるために、切り離された夢の世界で繋がるようになり日々の慰めを得ていました。

しかし、永遠に続くかと思われた怨嗟と絶望に包まれるこの星に転機が訪れます。
天から「星核」が舞い降りたのです。
星核が堕ちた星は、その強力な侵蝕能力により生態系の激変と裂界による汚染が発生し、普通の星であれば絶望に等しいものです。
作中で、ヤリーロ-VIに墜ちた星核は星一つを丸ごと寒波に包み込んだうえ、裂界の発生が人々の住む土地を奪い続けていました。

しかし、カンパニーによって奴隷化していた「ピノコニー」の住民にとっては、逆にそれが希望となったのです。
星核(万界の癌)に侵された世界に回復の見込みはない。

そう判断したカンパニーは星核に汚染されたピノコニーを放棄しました。


カンパニーが退去し、頼るものがなくなったピノコニーの住民たちに手を差し伸べたのが「調和」のシペであり「ファミリー」の派閥でした。
こうして流刑星であった星は「ピノコニー」として夢開くことになったのでした。
生まれ変わった「夢の地」
現在のピノコニーはこのような陰惨な過去は全く感じさせない華やかな星に生まれ変わっています。
外部からの訪問者はピノコニーの玄関である「ホテル・レバリー」が出迎えます。

このホテルに宿泊したゲストは夢の世界に入り、そうして初めて「ピノコニーに訪問した」ことになります。
そして夢の世界では「12の夢境都市」がゲストをおもてなしし、そこではどのような望みでも叶うとまで言われるほど。

夢境都市のうち、名前が判明しているのが「黎明ノ刻」「熱砂ノ刻」「星辰ノ刻」と呼ばれる都市ですが、簡単な説明があるだけで詳細は不明です。

ただし、「12」という数字とそれぞれの地に「~ノ刻」という名前が付けられていることや、レールデザインに時計が組み込まれていることから、ピノコニーでは「時間」が大きなキーワードになりそうです。

具体的な内容は不明なので多分に想像が含まれていますが、ピノコニーのいう夢の世界とはVR世界をモチーフにしているのではないでしょうか?

もっとも夢の世界と言っても、恐らくそこで死ねば現実でも死ぬ可能性が高そうですが・・・。
ファミリーの代表者であるサンデーは、この「夢に入る」ためのホテル・レバリー宿泊を来訪者全員に強制しています。

彼の目論見は未だに謎ですが、この辺りに何か企みがありそうです。
ちなみに、この「ホテル・レバリー」エントランスに置かれた時計の装飾にはスターレイル文字で「never awake」と刻まれていますので、もうこの時点でワクワクが凄いですね^^

「星神シペ」の誕生と謎
さて、このようなファミリーが信奉している星神「シペ」が誕生したのは、今から約800琥珀紀前に発生した「宇宙の蝗害」の最中でした。
宇宙の蝗害とは、「繁殖」の星神タイズルスが誕生し、宇宙規模の災害を起こしたことを指しています。

この災害を鎮圧するために立ち上がったのが『秩序』のエナで、彼女は宇宙全ての秩序を保つために、他の星神と協力してタイズルス包囲網を作り上げました。
しかし、エナ自身はタイズルス討伐作戦の途中に全く痕跡もなく失踪し、代わりに現れたのが『調和』のシペです。

このことについて、後世では「概念が被る運命は衝突し、『秩序』は『調和』に吞み込まれた」と伝わっています。

しかし、あまりにも古い出来事であるため、実際に何が起きたかははっきりしておらず、何らかの陰謀が隠されていることが示唆されています。
