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【原神考察】赤穂百目鬼海賊団の物語

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*この考察は、2022年8月時点の情報を元にネタバレや個人の見解を含んでいます。今後の実装次第で公式と大きく異なる考察となる可能性がありますのでご了承ください。

今からおよそ500年*ほどの過去の話。

稲妻の各地を荒らしまわる大海賊団がおりました。

その名は赤穂百目鬼海賊団。親分の名は、セイライの不死鬼と呼ばれし赤穂百目鬼左衛門なり。

今は最早伝説となった海賊団と伝説の男。
そして現代で今の伝説となりうる旅人がその男の名を知った場所。

この赤穂百目海賊団とはいったいどのような海賊団だったのでしょうか。
そして彼らはどのような歴史を辿ったのでしょうか。

*正確な年代は不明だが、赤穂百目鬼海賊団は、今から500年前「漆黒の災害」と呼ばれるものがテイワット全土を襲った時代に少女だった「とある巫女」が老いた時期に活躍している。
よって、概ね450年ほど前であると思料される。

老いた巫女

今からおよそ2000年ほど昔。
鶴観と呼ばれる島から、怒れる雷鳥がセイライ島にやってきました。

とある事情から怒り狂ったその雷鳥は、鶴観島を滅ぼし、そしてここにやってきたのです。

人の身では到底かなわぬ雷鳥の脅威は島の住民に怯える日々を過ごしました。

世を乱す雷鳥はやがて「世を乱す妖怪」として討伐されましたが、その怨念は凄まじく、死して尚、島に雷を落とし続けたのです。

この雷鳥の怨念を封じる役目を持ったのが、島の南西に建立された浅瀬神社でした。

浅瀬神社の巫女は、代々雷鳥を封印する役目を持ち、島を守護してきたのです。

そして、百目鬼左衛門が活躍した時代、当該神社の「最後の巫女」となったその巫女の名を「浅瀬響」と言いました。

彼女は分かりし頃は、本当の鳴神神社にも修行に出たことがありました。
そこであった出会い――そして別れ――。

最もそれは遥か昔の出来事。
左衛門が生まれた時、既に彼女はもう老いていたのです。そんな彼女に元にいるのは、「寝子」と呼ばれる可愛い猫。
そして、神社の雑用をこなしてくれる可愛い子どもたち――百目鬼の名を持つ小僧と、やがてその片腕となる蛇目権兵衛でした。

彼らは成長し、大人になります。
そしてこのセイライ島から大海原へ出て稲妻で一旗を上げるために一艘の船を建造しました。

その船の名が「越石丸」。
後の世——現代において、異世界からきた旅人たちに「御肉丸」と呼ばれることになるのですが――それはまた後の話です。

船員のほとんどが越石村出身であったため、名付け親である響は「この地にみなが無事に戻ってこれるように」と願いを込めて付けたのです。

さて、セイライ島から出奔した百目鬼はのちに伝説の大海賊と唄われるほどに名を馳せることになります。
稲妻全土を荒らしまわった百目鬼は当然ながら幕府と反目することになりました。

セイライ島は独立精神が強かったのか、幕府の支配を拒否しており、島民はみな百目鬼の味方です。

しかし、それでもなお官軍は強く百目鬼は追い詰められました。

大量の官軍が迫りくる中、成長した百目鬼は響を戦場に出さないように叫びます。

「女は邪魔だから下がれ」という百目鬼の口調とわざとらしく後ろを振り向く姿を見た響。

「降りろ、船の上じゃ女は邪魔だ!」
赤穂百目鬼と呼ばれた海賊がそう言って、背を向けた。
その言葉を聞いた巫女は不意に笑った。
私に弓術を教えた人が戦地へ赴いていなかったら、私たちの子供は、左衛門くらいの歳になるだろう。
私の名字は高嶺になるか、彼の名字が浅瀬になっていたかもしれない。
左衛門の口調や、わざと背を向ける仕草は、あの人が刀を提げて去っていく時とそっくりだった。
今度は、絶対にこの人を死なせない。
「雷の三つ巴」の旗と敵対してでも……
「帆を上げる時が来た。銛も刀も鋭く磨いた」
「官兵どもに、セイライの意地を見せてやれ!」
出航の歌を聴きながら、巫女は弓を下ろした。
影向山でこっそり学んだ本物の「法術」
天狗の師匠には申し訳ないけれど、ここで使わせてもらう。
千年の大結界を解き、
紫電の鳶の死に際の恨みに、
雷神の旗もとの船を壊してもらおう。
あの老いた猫が、雷に突っ込んでこないことを願って……

 ———破魔の弓(武器物語)

響は、かつて高嶺という想い人がいました。
左衛門と同じように豪快でぶっきらぼうで、そして素直ではなかった大人物。
そして、自らの手で止めを刺すことになった愛しい人。

左衛門の後ろ姿に高嶺を重ねた響は、何をしてでも「この人」を死なせないと誓い、そして天狗に習った法術を使って1000年の封印を解き、怨念に満ち溢れた雷音権現をセイライ島に顕現させてしまいます。

しかし、どこまで計算していたのか・・・
響には大きな誤算がありました。怨念に満ちた雷音権現はとても人の身に制御できる存在ではなかったのです。

雷鳥の遺恨は、セイライ島の全てに等しく――幕府軍のみならず、百目鬼の旗艦「越石丸」にさえも――降り注ぎました。

響の望み通り、幕府の軍隊は全て沈められましたが、左衛門は行方知らずとなり、セイライ島はやまない雷雲に包まれ人の住めぬ島となってしまったのです。

そこに残ったのは、ただ何も知らない一匹の猫・・・。
けれど、それはまた別のお話。

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そして金リンゴ群島(約450年前)へ

雷音権現の雷をその身に受けた、越石丸とそして百目鬼たちが目を覚ますと信じられないことが起きていました。

稲妻にいたはず彼らは、全く見知らぬ島に到着していたのです。

彼らが飛ばされた場所は霧海群島——のちに「大魔女アリス」に発見され
「金リンゴ群島」と呼ばれるこの地は、外界から隔絶され、一度入ってしまうと二度と出ることができないと言われている秘境でした。

ホラガイの声(金リンゴVer1.6版)

先住民たちも、たまたま迷い込んでしまった人たちであり、今いる住民はテイワットの国の名すら忘れてしまうほどに長く住んでいました。

しかも、飛ばされたときのあまりの衝撃に「越石丸」は真っ二つになってしまい、半分は山頂にまで飛ばされます。
とても乗れる状態ではなくなった「越石丸」を船員たちは涙ながら見送ります。

この島からは二度と出られないと絶望する船員たちでしたが、越石丸曰く「左衛門はどんな状況でも諦めない」という通り、彼らは島から脱出する法則を見つけ、住民たちとともに脱出しました。

百目鬼のその後については☆4武器「漁獲」で語られており、再び海賊を集めて、「外の世界を見たかった」という響の願いを叶えるために大航海に旅立ったのです。

かつて赤穂百目鬼と呼ばれた盗賊がこう嘆いた。そして彼はこう言った・・。
「蛇目!俺は今世界で最も自由な男だ!」
「巫女のばあちゃん! お前は世界を見てみたいって言ってたじゃないか?」
「いつも話してた惟神と昆布丸が行った場所とか」
「この俺、赤穂百目鬼左衛門が連れてってやる!」
「世界の果てがどんなものか、一緒に見に行こうぜ!」
「全ての路線の終点で、必ず再会する!」
「時が来れば、俺が遠国の話をする番だ。」

   ———漁獲(武器物語)

金リンゴ群島(Ver1.6)

こうして、百目鬼海賊団と越石丸の物語は終わりを告げました。

さて、現在の金リンゴ群島は左衛門たちとともに住民は全て旅立っているため無人島になっていましたが、たまたまその島を見つけたのがテイワットの辺境を旅するアリスさんです。

彼女は金リンゴ群島を改造し、娘であるクレーとその友人たちを島に呼びよせてもてなします。

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ここで旅人たちは、百目鬼たちの痕跡を見つけることになります。

各地に残されたホラガイや船の残骸から、彼らがいずれかからこの島にきてそしてまた去って行ったこと。

島に残された魔偶剣鬼は百目鬼たちが幕府から分捕ったことなどが分かります。

しかし、このときはまだ「半分になった船」が赤穂百目鬼海賊団のものであるということ以外はなにも分からず仕舞いのまま、旅人たちはまだ見ぬ国「稲妻」について思いを馳せることになります。

金リンゴ群島再訪(Ver2.8)

そして、今年もまた再び旅人たちは金リンゴ群島に訪れることになりました。

しかし、バカンスとして日々を過ごそうとした旅人たちの前に突然驚きの光景が広がっていました。

なんと、これまで乗っていたウェーブボートが突然会話できるようになったのです。

しかし、それはそれは途方もなく長い年月を眠っていたせいか記憶の一部を失っており、自分の名前を思い出せなくなっている有様でした。

そこで、パイモンが代わりに「彼」に名付けた名前が「御肉丸」です。

ちなみに英語だと「Miitoboru(ミートボール)」と呼ばれています。

このセンス好き

「御肉丸」はかつてセイライ島を守った大海賊「赤穂百目鬼左衛門」の一員(?)でしたが、セイライ島で幕府軍と戦っているときに、突然大きな雷に討たれてこの地に飛ばされてしまったのでした。

さて、今回の金リンゴに訪れていたのは旅人だけではなく、これまで度々敵対してきたファデュイたちも訪れており、更に謎の実験を行っていました。
それは「とある神の権能」を模した力を持つ機械の稼働実験です。

この「とある神」とは次に訪れる国スメールの「草神」でした。

何故、とある神が草神と分かるのかというと、メタ的に見てそうとしか思えない旅人たちが島を巡っていると、ウェンティから借り受けた「ドド通信機」から聞いたことのない人物の声が流れてきました。
彼女曰く、たまたまこの島に「自分とよく似た力」があったため気になって覗いていたそうです。
そして、彼女との会話の最後に「草元素」のマークが出現します。

そして、草神の力の一つに「会話できないものを会話できるようにする力」があります。

神が死んで話せなくなった=神には会話をもたらす力があった

前回(Ver1.6)では話すことができなかったウェーブボート(御肉丸)が会話できるようになったのは、神の力を模倣した機械の影響であると説明されているため、これも草神の権能でしょう。

ちなみに別の世界任務で登場する妖狸が会話できたのも、この機械による草神の力があったからです(本来、妖狸は非常に長く修業するか、特別な食事を人間が食べなければ会話できない)

そして、旅人たちが物語の最後で機械を止めてしまったため、越石丸は最終的に物言わぬ船に戻ってしまいました。

彼は、最後に旅人たちに伝えたいことが二つあると言っていましたね。
一つは、自分の本当の名前が「越石丸」であるということ。

そして、もう一つのことは、旅人たちが宝探しを終えてから話すと約束してくれました。

しかし、旅人たちが隠された宝を見つけて戻ると、既に機械の影響がなくなってしまい、彼は何も言わない船に戻ってしまっていたのです。

パイモンは、越石丸にぼそりと「嘘つき・・・」と呟きました。

でも違うんだよパイモン。彼は嘘をついたんじゃないんだ。
ただ、彼はそれを言うことができなかったんだ。
だって、彼は海の男。大海賊団・赤穂百目鬼左衛門の部下だから。

海の男は「さよなら」は言わないから。

残る謎①セイライ島の「セイライ丸」

今回、百目鬼左衛門の旗艦は「越石丸」であることが判明しましたが、ここで一つ疑問に残るのがセイライ島の「セイライ丸」です。

百目鬼は(自称)10を超える艦隊を組織していたため、明らかに越石丸より大きいセイライ丸は戦艦として扱われてた可能性があります。

しかし、この船には船内に「鬼のマーク」が残されています。

これは当然百目鬼のマーク――ではなく「大海賊・林蔵」のマークです。

ではこれは林蔵の船なのかというと、武器物語「漁獲」では「俺はセイライ丸の主だ」と百目鬼が語っています。

とすれば、やはりこれは百目鬼の船・・・しかし船内にあるのは林蔵のマーク・・・。果たして・・・?

残る謎②越石村に残された「秘宝の絵画」

今回で百目鬼たちが越石村出身であることが明かされましたが、この越石村には「海賊の秘宝」と呼ばれる一枚の絵が眠っていました。
であれば、当然これも百目鬼の遺産なのでしょうが、この絵がどのようなものなのか一切の説明がないため、謎に包まれたままです。

残る謎③百目鬼の行方

百目鬼たちは金リンゴ群島から脱出する際にお宝を群島に残していきました。
お宝は早い者勝ちだ!!ワンピースか?

彼らは金リンゴ群島から脱出後、二度とこの地に戻ることはなく世界を巡る旅に出ました。

もしかしたら、今後の国の海域で百目鬼に纏わる話がどこかで出てくるかも・・・?

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