今回は、Ver1.3で追加された新模擬宇宙こと「宇宙の蝗害」のストーリーを解説します。
宇宙の蝗害とは、かつて『繁殖』の星神タイズルスが無限に増殖し続けて宇宙中を荒らしまわり、その結果神々から殺されたという伝承があり、ヘルタが模擬宇宙のシステムを使って実際にその時に何があったのか?ということの研究を行いました。
この一連のメインストーリーそのものは、あまり意外性はない感じですが、メイン以外に見え隠れする陰謀や伏線などの方が気になる感じでした。
- 地上を支配していた鞘翅の最後の一匹が孤独から『繁殖』の運命に目覚め、星神タイズルスに昇格した。
- タイズルスは「虫の潮」と呼ばれる災害を起こし、宇宙を浸食し続けた。
- 無限に『繁殖』する虫は『貪慾』のウロボロスと衝突する。
- この衝突により、数多の星々も飲み込まれたが、それを『記憶』するために、星神浮黎が誕生する
- この「両害」は星系の秩序を乱し続け、その不秩序を許容できなくなった『秩序』のエナがクリフォトに協力を求め、互、アッハ、アキヴィリらもタイズルス包囲網に参加した。
- 最後はクリフォトのハンマーがタイズルスを叩き潰した。
- ウロボロスとエナはこの戦いの間に忽然と姿を消した。
- この時、『秩序』のエナは『調和』のシペに吸収されたと後世に伝わっている。
- タイズルスは間違いなく死んだが、『繁殖』のスウォームはいまだ健在であり、いつの日か復活する可能性があることをヘルタは懸念している。
- タイズルスの誕生は「アッハ」が関わっている可能性がある。
- つまりこの災害は全てアッハのマッチポンプ―—星神を利用した遊び道具に過ぎなかったということ。
「悪夢」の始まり
物語は、ある女性の見た悪夢から始まります。
その女性は悪夢を見た後に、とある蟲星の虫を全滅させることを目標に動き出し、「蟲星には珍しい昆虫がたくさん生息している。虫類図鑑を作るつもりで行こう」と嘯いて大量の賞金稼ぎを星に収集。

そして、この蟲星で大虐殺を行います。

星に集まった人間たちは単に蟲を捕まえるだけではなく、蟲を資源として兵器を作るなど暴走を始めます。

その結果、星に住む虫たちの数はどんどん減少していきますが、その中でとある鞘蟲が最後の一匹になってしまったことで、その孤独から『繁殖」の運命に目覚めタイズルスに昇華したのです。

タイズルスの『繁殖』とは宇宙中のあらゆる虫が自己複製可能になるという能力です。

これにより『繁殖』の恩恵が与えられた数多の虫たちが銀河中で大増殖を行うようになり、後に「虫の潮」と呼ばれる宇宙災害が始まりました。
さて、無限に増殖する虫たちと最初に衝突したのが『貪慾』のウロボロスです。
無限に『繁殖』し『貪慾』に食べ続けるサイクルが5琥珀紀(380年~1200年間)に渡って続けられます。

ウロボロスはこの繰り返しの中で、蟲だけではなく数多の星々も飲み込ました。
星神の強大な力の前で抗うこともできずに滅びゆく星々の悲劇。それを『記憶』するために、ここで初めて星神「浮黎」が誕生しています。
ただし、ヘルタによると「あまりにもできすぎている話」であるため、虚構歴史学者(嘘の歴史で宇宙の『神秘』さを保つ派閥)が書いたと疑っているようですが真相は不明です。

ともかく、混沌と荒廃が広がる宇宙の不秩序に我慢が出来なくなったのが『秩序』のエナです。

エナは万物の守護者であり、秩序を象徴する星神にとってこの混沌は到底許容できるものではありませんでした。

そこで自分と同じ「守護神」である『存護』のクリフォトに同盟を呼びかけます。


また、繁殖の災害は星々を害し、それは宇宙を『開拓』する旅に脅威を与えるため『開拓』のアキヴィリもこの同盟に参加します。

最終的に神々の連合軍は、タイズルスを追い詰め、クリフォトのハンマーで「運命」ごと叩き潰されて消滅しました

以上が、「宇宙の蝗害」のメインストーリーでありヘルタたちのレポートにより明らかになった出来事です。
裏に秘められた謎
物語自体は一言で説明してしまえば「宇宙中を飲み込もうとする繁殖の星神に対し、危機感を持った神々が協力してそれを殺した」に過ぎず、これ自体は当初から語られていた物語とほとんど変わりがありません。

しかし、その本流とは別にその裏にはいくつも陰謀が隠されており、ヘルタ自身も不審に思っています。
まず、タイズルスの誕生は最初にヘルタが語ったとおり、とある蟲星系の滅亡が引き金になりました。
しかし蟲星系はその名のとおり、知能の存在しない虫の星であり、文明が発展する余地はありませんでした。
それが何故、突然複数の運命が交錯する出来事が起きたのか?

これらを読み解くには、星神の動向だけではなく、その裏で翻弄された人間の物語に目を向ける必要があります。

終わりの始まり
この話の全ての始まりは、ある人間が悪夢のような啓示を見たことと先ほど説明しました。
その女性は悪夢を見た後に、蟲星系の虫を駆逐することを目標に動き出し、「蟲星には珍しい昆虫がたくさん生息している。虫類図鑑を作るつもりで行こう」と嘯いて大量の賞金稼ぎを星に呼びつけて大虐殺を行わせたのです。
後々のことと併せて考えると、この女性が見たものが「悪夢」と表現されていることから、これは虫を駆逐し『繁殖』の星神の誕生を阻止するつもりだったと推測されますが、皮肉なことにこの行為が『繁殖』が誕生する結果となったのでした。
では、その根源である悪夢の啓示を彼女に送った存在は何なのか?
ヘルタは蟲星の大虐殺には裏があり、それは星神以外にあり得ないと考えています。

全ては『愉悦』の掌に
結論から言うと、全てを裏で糸を引いていたのは『愉悦』のアッハである可能性が高い。
つまり、一連の事件はアッハが火をつけて神々が踊ることをそばで眺めて楽しむ彼のマッチポンプだったのではないか。
まず、最初に啓示を受けた彼女の話に戻します。
彼女は賞金稼ぎのリーダーでかつ、“アッハ並みの名声”を持っているなどと愉悦の神の名を出していることが一つ。

また、『巡狩』の星神はまだこの時生まれていませんが、その直感によると『繁殖』の誕生は最初から定められており、それが可哀想な人が利用されたに過ぎない――何者かが陰謀を持って意図的に悪夢を見せた――それは誰でもよかった――ことを感知します。

そして、最大の根拠としてエナがアッハの行動を関知していたことが挙げられます。
エナが現れクリフォトに同盟を申し込んだとき、ヘルタは「タイズルス討伐のために手を組んだ」と思い込んでいましたが、これはミスリードでありエナのセリフをきちんと読めば彼女が一番排除したかったのはアッハであることが分かります。

また、賞金稼ぎのリーダーは「悪夢の啓示」により蟲星の大虐殺を先導しましたが、エナはアッハが夢を操り自分の意志を感染させたことも看破しています。

このようにエナはタイズルスの誕生にアッハが糸を引いていたことに気が付いていたようです。
しかし、目下の危機は繁殖と貪慾の衝突であり、まずはそれを何とかしなければならない。
そう考えたのがエナの不覚であり、アッハを討伐する前に彼女は『均衡』の星神により排除されてしまいました。
『調和』が『秩序』を吸収する
エナはこの「神々の戦い」が終わる前に何の痕跡も残さず忽然と姿を消しています。

エナの失踪に関わっているのが愉悦のアッハと均衡の互です。
アッハはともかくなぜ均衡が出てくるのか。
秩序のエナは最も古い星神の1柱であり、彼女に庇護された星々は「帝国」と称されています。


しかし、「宇宙の蝗害」中にこの「古い帝国」は突然輝きを失い、太陽が隠されました。

この「太陽」は彼らが庇護する神の暗喩であると思われるので、当然このときの「太陽」はエナです。
そしてタイズルスが倒れたあとに太陽は「優しく」返されました。均衡の神の手によって。


しかし、タイズルスが死亡したときには既に『秩序』は消えて、近しい運命である『調和』が誕生しています。
となれば、この返された太陽(神)は『調和』となったものでしょう。
また『豊穣』の逸話内では、この秩序が消えたことは『均衡』が「均衡のために決断した」ことであると説明されています。

これらのことから、『秩序』の消滅には『均衡』が深く関わっていることはほぼ間違いないでしょう。
残された謎
なぜ、『均衡』は「太陽」を隠したのか?
先ほど説明したように『秩序』のエナの失踪には『均衡』が関わっている可能性が高いのですが、そもそも何故そのような行為に及んだのか?
これについては、ほとんど情報がないので推論という名の妄想です。
まず『均衡』の目的は「均衡のため」にしかありません。

そして、均衡を保つとは平穏であると間違えやすいのですが、実際は善にも悪にも偏らず釣り合った状態を保つことを示すものです。

当時のスターレイル銀河は「『壊滅』はまだ生まれておらず、宇宙全体を庇護する『秩序』がいた」状況です。
つまり繁殖の星神が誕生するまでは、善に偏っていた状態でした。
元々、「互」は宇宙の『均衡』を保つために『秩序』を排除する機会を狙っていたのではないか?
そこに利害が重なっている『愉悦』の存在が出てきます。
『秩序」のエナはその名のとおり、万物の守護者を称し不秩序を拒否します。
言うまでもありませんが、これはアッハの好きな混沌と対立する概念であり、事実エナはアッハを敵視していました。
ルアン・イェメは『調和』が誕生したことに『愉悦』と『均衡』が関連していることを分析しています。

『調和』の誕生とはすなわち『秩序』の消滅であり、それに列神の戦いが関係していることが示唆されています。

もう一つは『終焉』の存在です。
秩序の国では常に神を讃える歌を奏でますが、この歌に不協和音が生じこの時に『終焉』と『秩序』がすれ違っています。

『終焉』の星神テルミヌスは謎だらけですが、「終末」に関わる存在であると推論されています。

この接触による影響が宇宙の均衡にとって不都合が起きたのではないかとも考えられます。
もちろん、単に『終焉』自体が何かしたのではなく、「『秩序』の『終焉』を予言するため」かもしれませんが・・・。
とりあえず、現時点ではこの謎を解くためのピースはまだ足りていないようです。
アッハは『繁殖』の誕生を予見していたのか?
蟲星の虐殺を主導したのがアッハだとして、彼は『繁殖』の誕生を予見していたのか?
偶然の可能性も勿論ありますが、アッハがタイズルスの誕生を知っていて行った可能性もあります。
それは『終焉』の星神がタイズルスの誕生を予言し、「厄災前衛」がその予言を読み取って各地に触れ回ったからです。


この予言のことをアッハが耳にしていれば、進んでこれを促進しようとしても全く不思議ではありません。
まあ最も、生まれようが生まれようが全く気にしていなかったかもしれませんが・・・。
『貪欲』のウロボロス
「宇宙の蝗害」が最大の被害を出したとされるのは、『繁殖』と衝突する『貪慾』が蟲だけではなく、星々も飲み込んだからです。
『繁殖』も脅威ですが、同様に星々を飲み込む『貪慾』もまた脅威であり、そのため二柱の神を指して「両害」と呼ばれています。

しかし、神々が討伐したのはタイズルスのみでウロボロスはこの「神々の戦い」中に忽然と姿を消しています。
最早その姿が見受けられないことから、何者かに殺害された可能性は高そうですが星神が忽然と消えるほどの出来事が起きたことに対して一切の記録が存在しない不自然さが残りますし、『秩序』も同時に消えていることから『調和』に吸収される一連の謎に関連している可能性もあります。
『繁殖』と「龍」
タイズルスの『繁殖』の運命は、元々は龍の『不朽』の運命を分裂させたものです。

しかし、今回のエピソードでは「龍」の存在は全く関わっておらず、文明の存在しなかった蟲星系に対してどのように『不朽』が関わっているかは全くの不明です。
「壊滅」の「開拓」と「虚無」
この神々の戦いにはアキヴィリも参加していますが、主人公こと「模擬アキヴィリ」はこの戦いで虚無に触れて心の中に『壊滅』の『開拓』という心境が生まれています。

しかし、この「宇宙の蝗害」の時間軸は固定されているため、まだ生まれていない『壊滅』が現れることはないはずです。

以前に、「ナヌークは死したアキヴィリが転生したものである」という説を取り上げたことがあります。

最も人間に近い星神と呼ばれたアキヴィリが後に『壊滅』に変化するのであれば、その「種」はもしかするとこの時代に『虚無』によって蒔かれていたのかもしれません。
『虚無』の星神自身もまたこの記録の最中に『調和』が関わり生まれたことが示唆されています。

登場星神
『繁殖』のタイズルス:かつて一匹に羽虫が生存本能に火をつけ自己増殖能力を得て星神に昇華した。その能力を持って宇宙を飲み込む「蝗害」を起こしたが、それを危険視した神々の連合軍に追い詰められ、最後はクリフォトの槌で叩き潰されて死亡する。
『貪慾』のウロボロス:最古の星神の一柱。無限に繁殖するタイズルスは「貪慾」のウロボロスと衝突する。しかし、その過程で無数の星々もウロボロスに飲み込まれ消えていった。この戦いは五琥珀紀に及び、「両害」と呼ばれている。片方のタイズルスは神々によって殺害されたが、貪慾のウロボロスも忽然と銀河から姿を消しており、その理由は不明
「秩序」のエナ:最古の星神の一柱。「秩序」を尊ぶエナにとって、タイズルスとウロボロスの「両害」は宇宙の秩序を乱す行為で看過できない物であった。そこで彼女は「存護」のクリフォトに協力を要請する。宇宙の蝗害中に失踪し、『調和』のシペが誕生した。
『存護』のクリフォト:最古の星神の一柱。エナと同じく守護神であるクリフォトはエナの誘いを受けてタイズルス討伐軍に参加する。最後は其の槌によって『繁殖』の運命は霧散した。
『開拓』のアキヴィリ:星々を「開拓」するアキヴィリにとっても「両害」は看過できないものであった。彼も神々の戦いに参加したとされているが、どのように関わったのかは不明。この最中に『虚無』に触れて『壊滅』の意志が芽生えたことが示唆されている。
『愉悦』のアッハ:アキヴィリにタイズルス討伐戦へ参加するように呼び掛けた。また人間たちに啓示を与えて神々に助力するように要請したが、人間の身で神々の戦いに関与することなど不可能であり、信じて突き進んだ人間たちは無意味な一生を過ごすことになった。『秩序』のエナの失踪と『調和』の誕生に関与している可能性がある。
『均衡』の互:秩序と同じく、宇宙の『均衡』を乱す「両害」は看過できないものだった。この神々の争いの中で『秩序』に何らかの関与を行った可能性がある。
『調和』のシペ:対タイズルス戦の途中に登場し、最終的には戦いに参加している。後世では『調和』のシペが『秩序』のエナを吸収したと伝えられているが、具体的に何があったのかは不明。
『壊滅』のナヌーク:「最も若い星神」。宇宙の蝗害時はまだ誕生していなかったため、戦いに関与した可能性はない。しかし何故かその意思が・・・
『記憶』の浮黎:ウロボロスとタイズルスの「両害」は無数の星々も巻き込み消え去った。その最中に「浮黎」は生まれ、消えゆく星々を「記憶」したという。しかしヘルタは「あまりのもできすぎている。虚構歴史学者の作り話かも」と疑っている。
『巡狩』の嵐:この時代にはまだ生まれていない。嵐の「直感」によると、タイズルスの誕生は必然であり、哀れな人間がそのために利用されたという。
『豊穣』の薬師:ヘルタはこの時はまだ薬師は生まれておらず、関われないと主張しているが、スクリューガムは『繁殖』と『豊穣』は関係していると考えており、二人は賭けをした。結局今回のストーリー内では豊穣は最後まで姿を現さず、スクリューガムは負けを認めた。
『終焉』のテルミナス:『繁殖』の誕生を予言し、その予言を解読した「厄災前衛」が宇宙にその内容をばら撒いた。















