みなさん、こんにちは。ルト兄です。
初期からテキストなどで名前が出ておきながらも、登場が焦らされ続けていたファデュイ執行官「富者」。

そんな彼がついに魔神任務で姿を現し、多くの情報が開示されました。
今回の記事では、彼の現時点で分かっている情報についてと、その真の目論見についての深掘りを行なっていきます。
なお、この記事は既に公開済みであるYoutube動画をベースにブログ用に再編成したものになります。
「富者」の生涯
「富者」とは「パンタローネ」とも呼ばれるファデュイ執行官の1人で、本名はフェオファン・セルゲイェヴィッチ・ヴェクセル。

彼の名前「フェオファン」とはロシア系の男性名であり、「ヴィッチ」とはロシア圏で父称と呼ばれ、その息子につけられる名前の一部で「セルゲイの息子」という意味になります。
そしてヴェクセルはロシア語で「約束手形」「借用書」を意味することから、彼は純粋なスネージナヤ出身であることが分かります。
かなり昔に顔が激似の某人物に対して「白ポと黒ポ」とか言って兄弟説をぶち上げた狂人がいたんですけど、「富者」の年齢は400歳以上と判明し、そして出身も璃月ではなかったことから、二人が血縁であることはほぼ無さそうです。


あと、実際の3Dモデル見たらいうほど似てませんでしたね。
「富者」の方が結構面長です。

さて、「富者」は神に認められることがなく、そのため「神の目」を得ることができませんでした。

そのため実力順で決まる執行官の序列は9位と低いんですが、その代わりファトゥスの中で最も金を持つ者として経済面で大きな影響を及ぼしてます。

しかし、それはあくまでも現在の話。
今から400年以上も過去の話、彼の幼少期は貧困と窮乏の中で過ぎました。

成長後は自ら事業を立ち上げるも見事に失敗。
20歳にしてギャングにはめられて「博士」の研究所へ実験体として売却されてしまいます。

ところが、この絶望的な出来事が逆に彼の人生に大きな転機をもたらすことになりました。
博士の実験を受けた人々は毒の影響で次々に命を落とすことになったんですが、サンプルⅢ――フェオファンだけは口八丁で窮地を逃れるための言い訳――恐らくは自分の有用性を「博士」に証明したことで、実験体となる運命から逃れました。


これ以降、フェオファンと「博士」の間には、現在まで続く奇妙な「友情」が始まることになります。

こうして『博士』の部下についたフェオファンは銀行家として活動することになったんですが、任務のために銃撃戦や乱闘により負傷しては「博士」に手当てされる日々が続きます。

銀行家なのに何故かボロボロになって帰ってくるフェオファンの姿には、あの「博士」ですらドン引きする始末。
まあその甲斐あってか30歳にして執行官に抜擢され、「富者」の名を与えられることになりましたが、危険な任務と過大なストレスのためか、この頃から400年も続く喫煙癖が始まることになります。

さて「博士」と「富者」は互いの目的を果たすには只人の寿命ではあまりに短すぎるという結論に至り、「富者」自身の身体を実験体として不老不死の霊薬を研究することになりました。

そして何度も試薬の改良を繰り返した結果、試薬2では肉体の老化速度に明らかな低下が見られ、試薬5では、ついに肉体組織と脳年齢の完全な停止が確認されるに至り、「不老不死の霊薬」が完成しました。


あと、これは余談なんですけど、この「最後の霊薬」は72歳の時の5年前に開発されていて、85歳で死亡したザンディク本体の解剖データが使用されているので、富者との年齢差は概ね18歳差程度だったと推測できます。

つまり、20歳だった富者が初めて出会った「ザンディク」は、彼が最後に別れを告げた「35歳の断片」のころだったわけですね。

さて、こうして「富者」は『寿命』という枷を外し、現在に至るまで400年以上もの時を生きてきました。
なお、完成までの試薬の段階でも老化の進行速度は減速していたため、肉体年齢はおよそ45歳で止まっています。

ただし、あくまでも時間経過による老化が停止しただけに過ぎないので、ストレスによる消化管の出血や長年の喫煙習慣による肺交換に、外傷によるダメージや免疫システム低下など、老化以外を原因とした肉体的な損傷までは「停止」させることはできません。

そうした損傷は別途、「博士」による外科的なアプローチによって治療されていました。
ちなみにメガネをかけ始めたきっかけは、312歳の時にベッドの脚につまずき鼻を擦りむいたためで、この出来事は8歳児に面白がって記録されてしまいました。



あと彼の診察票には喫煙歴145年とかいう中々インパクトのある数字が出てきますが、これ以降も禁煙せず、400歳を超えても吸い続けています。

一応、肺交換してからは反省してからか本数が減ってるんですが、喫煙を止めるように忠告する「友人」がいなくなったので、ストレスで本数が戻らないか心配ですね。

ちなみに幻境では「富者」を禁煙させようというミニゲームを作られたんですが、中国では煙草の規制が厳しいためか、現在はロリポップに修正されました。


なお、実は原神の喫煙者は「富者」が初めてではなく、ロサリアや凝光も設定上は喫煙者なんですけど、彼女たちがゲーム内で喫煙することはないので、「富者」の喫煙シーンも見ることはなさそうです。

*実は「原神の公式」という範疇内ならば、喫煙シーン自体は存在しています。

さて、執行官の座に就いた「富者」は、スネージナヤの経済を掌握し莫大な富を築き上げます。
北国銀行の最高責任者として祖国を潤す傍ら、他の七国へも支店網を広げ、現時点では璃月、フォンテーヌ、ナド・クライに支店が確認され、スメールには事務所が置かれています。

他にも各国に多大な影響力を持つ冒険者協会はスネージナヤに本部を置いてるんですけど、冒険者に支払われている依頼報酬の出処は「富者」ではないかという疑惑が存在します。

原石を人質にされてしまったらまずいことになる……。
モンドにあるゲーテホテルはファデュイが貸し切っているのですが、その大金を支払っているのは「富者」でした。

Ver2.4のイベントではガイアがゲーテホテルに大量の料理を差し入れするという話があったんですけど、4年経った今でもこの伏線は回収されず、謎のままになっています。

そして、このような「表」の組織だけではなく、「裏」の世界でも暗躍しており、璃月の望舒旅館にはランダという子連れの詐欺師がいますが、彼の空言には「パンタローネ(にとって)は厄介だな」という呟きがあるので、恐らく彼の部下です。

このランダはモンド地方の酒造業に大打撃を与えるために送り込まれたんですけど、ノエルの天然という名のおもてなしを前にして計画を断念することになりました。

それ以外にも璃月で密輸ルートを敷いていましたが、これは夜蘭によって差し止められてしまい、女皇に献上するはずだった白い魔獣のコートまで奪われてしまいます。

夜蘭が着ている白い肩掛けは、このコートを自分用に改造したものです。
また彼女の伝説任務では璃月七星「天枢」の後継者を選ぶプレゼンに介入しようとしたんですが、こちらも夜蘭に阻止されるなど、彼女との因縁が何度か書かれています。

かつてフォンテーヌにはエキセントリック・パンタローニと呼ばれる犯罪組織があったんですが、ナヴィアたち棘薔薇の会の活躍で壊滅させられました。

この組織は他に全く説明がないため具体的なことは分かっていないのですが、名前が似過ぎているので「富者」が絡んでいる可能性があります。
富者の野心と真の目的
さて、「富者」がストーリーに登場したのは今回が初めてなんですが、既に彼の真の目的、そして野心については判明しています。
それは天理――神々の支配するテイワットを覆し、人が己の力のみで野心を成し遂げることのできる真の『公平』な世界を目指すことです。

現在のテイワットとは「神に支配された世界」で、そして神からの授かり物である「神の目」は、持つ者と持たない者に絶対的な格差を生みます。
「選ばれなかった」側の人間である「富者」は、その不公平な支配から人類を解放すると誓ったわけですね。

ちなみに彼の名前「フェオファン」とは古代ギリシャ語に由来し「神の顕現」という意味を持ちます。

神の運命に認められなかった彼が神に由来する名を持つのは皮肉な運命ですね。
しかし、ここで疑問に思うのが、神を憎む「富者」がなぜ氷神に仕え、岩神の力から生まれたモラを武器にしているのか?
それは彼が「超現実的な理想主義者」だからです。
氷神に仕える執行官など彼からすれば唾棄すべき対象のはずですが、貧しく生まれ、神の目という力も持たない凡人がその身一つで「公平」を叫ぼうとも、それが顧みられることなどないのは誰でも分かりますよね。

そこで彼は一時の屈辱を受け入れ、持たざる者にとっての最強の力――モラの追求を選んだわけですね。

しかし、モラは岩神の権能によって生み出されたものであり、すなわち、世界がモラに依存する限り、岩神の力が世界の支配力を持ち続けることになります。
今のところ人々はモラに依存する危険性に気が付いていないようですが、「財」について特別な理解がある「富者」は、「公平」とは程遠いモラの問題点を見抜いていました。

だからこそ彼は、各国に「北国銀行」を設立して、テイワットの全てのモラを掌握した上でその価値を自ら破壊することでモラ経済圏を混乱に陥れ、根本から崩壊させることを目論んでいるのです。

しかし、当たり前の話なんですが、「通貨」が突然使えなくなってしまえば「人の世界」は混乱をきたし、神への依存度を逆に高めてしまいます。
「富者」はそのような事態を避けるために、数百年前にメロピデ監獄で、ある「実験」を行いました。
彼は監獄がフォンテーヌ国内でありながら外に属さないルールが存在していることに目をつけ、「特別許可券」というモラとは異なる貨幣を流通させます。

その狙いは、神の力を裏付けとする「モラ」に頼らずとも完全に人間の手だけで管理された貨幣制度が成り立つことを示すためでした。
この「富者」の試みは成功し、現在でも監獄では特別許可券が流通しています。
これは現実における貨幣そのものに価値がある「金本位制度」から現在の「信用貨幣制度」への移行を、原神風に落とし込んだものでしょう。

そして、「空月の歌」第9幕では、ついにゲーム内で初めて姿を現し、「博士」の協力者としてスメールで暗躍します。
実は「博士」はあらかじめ自分の魂を二つに分割していて、ナド・クライで倒されたのはその片方だけだったんですね。
そして、北国銀行の金庫に保管されていた残りの魂は事前に結ばれていた契約に基づき、「富者」の手で地脈へと還され、「博士」による世界樹乗っ取りに繋がっていくことになります。

その後は時間稼ぎとして砂漠に封印されていたジンニーを解放し、旅人の足止めに成功しましたが、世界樹と一体化した「博士」は旅人たちとの戦いに敗北。
ナヒーダが放った炎の神の心によって燃え尽きるザンディクが最後に選んだ選択は、「友人」であった「フェオファン」に別れを告げることでした。
ザンディクに背を向けてスネージナヤに帰国したフェオファンは、次のマネージメントに向けて動いていくことなります。
そして何度も伏線が貼られておきながらも、いまだに謎に包まれている厳冬計画。

当初は「富者」と「雄鶏」が計画の中心と説明されていたんですけど、魔神任務クリア後は「道化」と「雄鶏」が率いていることになっていました。

単に「道化」が新たに計画に加わっただけなのか、「博士」の計画に関与したから外されたかは不明の状況です。

また「博士」から供給されていた「不死の秘薬」のストックは数年しか残っていないため、寿命という枷に再び縛られることになりました。

他執行官との関係について
「富者」は達観した性格だという本人の宣言通りストーリーでは穏やかな口調と崩さない表情でしたが、「召使」の分析では自らを理性的と称するも心の中では誰よりも世界、そして神に対する憎悪で満ち溢れていて、それを抑えきれていないように見られています。

また、同じ文系の執行官である「雄鶏」とはライバル関係にあるようで、彼が「クソパンタローネ」とぼやいているのをコロンビーナに目撃されています。

そんなコロンビーナの評することによれば、「雄鶏」と「富者」の意見が対立する時は、いびつな笑みをする「富者」よりも「雄鶏」の方につけばいいらしく、「博士」と密接な協力関係にあったためか、やはり「悪人」の方に分類されてるんですかね。

そして彼の目的である「神」と「人」の関係を是正し、真に公平な世界を作るという計画は、笠っちからすればあまりにも荒唐無稽なものに映っています。

脳筋戦闘狂のタルタリヤとは言わずもがな、相性が悪そうですね。

そして、選ばれなかった人間の物語
原神には各国に様々な世界任務が用意されていますが、基本的にサブとして扱われていてメインストーリーには関係しないのが通例でした。
しかしナド・クライでは「傀儡」関連で水仙十字院の回収が行われ、スメールの最後の魔神任務では各世界任務のキャラたちが勢揃いするなど、この通例が崩れています。
これは僕の本当に個人的な願望なんですが、過去の世界任務が深掘りされる可能性があるならば、「富者」に焦点が充てられたときに『選ばれなかった人間』が運命に足掻いた物語、『志璇』の話が来ることを期待しています。
層岩巨淵の主要人物であった彼女は冒険者協会の測量員として、旅人とともに未踏の地であった地下洞窟の深層へと足を踏み入れます。

しかし、アビスの汚泥に塗れた地底での冒険は神の目を持たない只人には危険極まりなく、旅人は志璇の身を案じて何度も引き返すように警告します。

しかし、彼女は頑としてそれを聞き入れようとせず、自身の危険を顧みずに奥地へと足を運び続け、最後には書き置きを残して失踪します。

志璇の生死は不明のままですが、手紙には清心の香りが漂っていました。

清心には鎮痛作用があるので、この時点で彼女はもう絶望的な状態であったと推測されます。

この身勝手な行動をする志璇に対して不快に思うプレイヤーも多かったんですけど、なぜ彼女はそこまでしたのか?
という行動原理は、彼女の残した手紙に全て書かれていました。
彼女の行動の本質は神の目という指標が存在し、「選ばれし者だけが英雄になれる世界」の中で見せた凡人としての反逆です。

「人間の意志は、たとえ神に認められずとも世界の果てに到達できる」ということを自身の命を懸けて証明しようとしたのでした。

神の目を持つ英雄たちはその力と偉業によって歴史に名を残しますが、凡人である志璇が選んだ武器は「記録」と「測量」でした。
地図というのは単に人を道案内するためだけのものではなく、「かつてここに人間が到達した」という生きた証なんです。

彼女は自らの肉体が深淵に消えることを覚悟した上で、凡人の限界を超えて踏破した領域を地図に刻みました。
誰もが語り継ぐような英雄にはなれなくとも、彼女が遺した地図が後世の冒険者を導く限り、志璇という「選ばれなかった探検家」の魂はテイワットに残り続けます。

神の目を持つ者たちは確かに世界の主役です。
しかし志璇の手紙は「テイワットの歴史は神に選ばれた者たちだけで作られているわけではない」という強烈なメッセージとして機能しています。
そして「神の目」は「強烈な願い」から生まれるものとされています。

しかし志璇の「命を賭してでも未知を切り拓く」という願いは誰よりも強烈であったはずにもかかわらず、最後まで神の目が顕現することはありませんでした。
これはテイワットを管理する神の目システムが必ずしも人間の真の勇気や純粋な意志を平等に評価するものではないことを示唆しています。

そして、この「不公平さ」に気づいている人物の一人が、他ならないファデュイ執行官「富者」です。

原神の物語においては味方も敵も主要キャラはみな神の目を持つか、それに等しい者たちばかりですが、その中で「選ばれなかった人間の怒り」を体現しそうな「富者」関連の話はかなり期待しています。
最初に「個人的な願望」と前置きしましたが、僕は元々自分が「選ばれない側の人間」というコンプレックスがあるため、このような「選ばれなかった人間の物語」がめちゃくちゃ好きでした。

私も「選ばれない側の人間」なのでね・・。
「富者」実装の可能性
これはおまけの与太的な話でしかないので話半分で聞いてください。
スネージナヤ実装が直前に控える中で執行官がいい人集団になってきてるとかSNSで話題になっていますが、実は個人の目的そのものが旅人側と一致しているのが「富者」本人なんですね。
彼の目的は世界を神の手から人の手に移すことであり、特にモラの権能を持つモラクスを憎んでいますが、璃月魔神任務の内容を見れば分かる通り、世界の運営を人の世界に移すことはまさにモラクスが人間に期待していることでした。

既にモラの新たな生産は停止されているため、いずれは信用貨幣制度に移行することも確実です。

魔神任務では結果的に運命の維持――天理のために動いている旅人を批判していましたが、旅人もその運命に疑問を抱いており、最終的には天理側と敵対するでしょうし、そうなるとますます「富者」とは戦う理由がないんですよね。

問題は神の目を持っていないことですが、最近の原神くんは元素エネルギー0のスカークを実装したりしているので、色々理由をつけたらどうにかなるんじゃないかなと。















